「よっしゃー!」。タイムアップのブザーと共に、フォルサのメンバーが雄叫びを挙げ、ガッツポーズ。優勝候補最右翼と目される中、今大会を全勝で駆け抜けた。手に入れた「大学ナンバーワン」という称号。フォルサが、名実共に大学一の座に就いた。

○リベンジ果たす、準決勝・流経大サッカー部戦

 1年前とは、違った。同じ轍は踏まなかった。

 昨年度は準決勝で、流経大サッカー部に敗れ涙した。ミスから2点を献上し、追いつけずタイムアップ。そのときの悔しさを、戦う気持ちに変えた。

 後半の立ち上がり、カウンターから一気に3失点し、追いつかれた。だが、今年はそこから突き放す。

 後半6分、B小仲(4年)の右足弾で勝ち越すと、13分にも小仲がゴール。「赤本(4年)が良いボールを落としてくれたから、後は決めるだけだった」。これで試合の流れを完全に掴んだフォルサが7-4で勝利。リベンジを果たした。

 「リベンジが終わったから、次はチャレンジですね」とA東中(3年)。待ち望んだファイナルの舞台に、フォルサがたどり着いた。

○決勝の福山大サッカー部戦、大勝で全国制覇

 チーム全員が一丸となって掴んだ栄光だった。

 ファイナルという舞台には、意外なほどのワンサイドゲームだった。フォルサのプレスが面白いように機能し、福山大の守備にも粘りがない。東中主将のゴールを皮切りに、フォルサがゴールラッシュを見せる。「相手の守備、緩かったなぁ」と5ゴールの東中。あっけないといえばあっけなく、磐石といえば磐石の戦いで、フォルサが大学フットサルの頂に到達した。

 チームにはケガ人が続出していた。東中主将の左ヒザはテーピングで固められ、B中島(3年)も腰を打撲して、動けば痛みが走る。小仲の左足は内出血でどす黒く腫れていた。スタッフ陣も連日、スカウティングとビデオ分析でほとんど寝ていなかったという。試合直前に使用ユニフォームが変更され、マネージャーらはユニフォームの準備に奔走した。フォルサ関係者や神戸大生が多数駆け付け、声を枯らしての応援。

 「これだけ周りの支えを感じてプレーできたのは初めて」と小仲が話せば、「みんなに支えられてこその優勝」とB田代(4年)。「僕ら、最高のチームです!」。田代はそう語って会場を後にした。

○フォルサ全メンバー、喜びのコメント

卯田(3年)-「嬉しいですね。スタッフのみんなやマネージャーに感謝です」
赤本-「ほっとした。準決勝進出4チームのうち、2チームがサッカー部だったのはちょっとねぇ…」
森川(4年)-「嬉しいっすね。個人的にはプレーは良くなかった」
中島-「これが目標の一つだったんでね、リベンジできて良かった」
石村(3年)-「ほっとした。絶対的な目標の一つだった。これからはリーグで頑張る」
小川(3年)-「嬉しいの一言。やってきたことが報われた」
上原(3年)-「コンディションは良くなかった。全日(全日本選手権)を見とけ!って感じですね」
吉田(4年)-「フォルサのために全力を尽くせた」
平本(1年)-「めっちゃ嬉しい。日本一っていう実感はまだない」
田代-「スタッフ、マネージャー、応援してくれてる人に感謝してます。今まで悔しいことばかりだったから、勝って終われて良かった」
東中主将-「最後は相手も気持ちが折れてた。ビデオで研究した成果が出た」
板東(4年)-「大学入ったときに日本一なんて考えもしてなかった。去年期待されてた分、今年勝てて良かった」
小仲-「サッカー人生とフットサル人生の中で最高。日本フットサル界のためにも、負けられなかったんでね」

北垣監督(4年)-「良かったっていう一言。昨年プレイヤーとして果たせなかった夢を、スタッフとして叶えられた。でもこれで終わりじゃない、またリーグも始まる」
池上コーチ(4年)-「選手はずっとキツイ練習についてきてくれた。後悔したくなかったから、3日間スカウティングをやり続けた」
大野コーチ(4年)-「スタッフも選手も一つの思いを持ってやれたのが大きかった」
小林コーチ(4年)-「してやったりです!やりたかったことが全部現実になりましたね」

●全日本大学フットサル大会2008(8月22日から24日・舞洲アリーナ)
▽グループリーグ
 

神戸大フォルサ 11 3-3 4

宮崎産経大

8-1

小仲2

田代

石村

東中2

中島2

森川

上原

板東
 

得点者

 

 

神戸大フォルサ 1 1-0 0

 北海道大

0-0
東中 得点者

 

神戸大フォルサ 1 1-0 0

 順大

0-0
赤本 得点者

 

▽準決勝

神戸大フォルサ 7 3-0 4

 流経大

4-4

田代2

赤本2

小仲2

石村

得点者

 

神戸大フォルサ 12 2-0 2

 福山大

10-2

東中5

田代2

石村

中島2

卯田

森川

得点者