壮絶な試合を戦い終えた大体大選手の目に、歓喜と安堵の涙が光った。

 2-1で迎えた後半ロスタイム、誰もが大体大の勝利を確信した瞬間。しかし高知大イレブンは驚異の粘り強さを見せつける。

 CKを得ると、GKもゴール前に上がり、全員攻撃でラストプレーに望みを託す。そしてゴール前混戦の中、FW大西が同点弾を押し込み、試合を振り出しに戻してしまうのだ。

 共に延長戦を制し準決勝に駒を進めたチーム同士の対戦はまたしても延長戦に
もつれ込んだ。

 「体力的にはガタがきているけど、ゲーム中は疲れを感じない」と話す先制点をあげたDF込山。退場者を出し、厳しい戦いを強いられた延長戦だったが、決勝への気持ちで高知大の猛攻を凌ぐ。結局、延長戦でも決着つかず勝負の行方はPK戦に。

 両チーム1人ずつ外し、6人目のキッカーはDF吉村。「自分たちは2部なので、他のチームとはこの大会にかける決意が違う」。まさに吉村が気持ちで押し込み、相手にプレッシャーをかけると、続く高知大・FW出井のシュートをGK松本が見事な読みで死守。この瞬間、大体大の22年ぶりの決勝進出が決まった。

 試合後、坂本監督は「最後までボールを前に詰めてくる素晴らしいチームだった」と高知大を称賛。大体大の応援席からも健闘を称え、高知大コールが鳴り響いた。

 決勝の相手は関西選手権で敗れた阪南大。「同じ相手に二度負けるのは許されない」と話すMF田所。前回は教育実習で主力の4年生を欠く中での戦いだった。FW熊元は「前回は実習で出られなかった。絶対リベンジしたい」と意気込む。

 ベストメンバーで挑む今回こそ真の力が試される戦いとなる。 

●2008年度総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準決勝(7月10日・大阪長居第2陸上競技場で)
 

大体大 2 1-0 2

高知大

1-2
0-0(延長前半)
0-0(延長後半)
5-4(PK戦)

込山

得点者