国士舘との死闘制す
ホイッスルの瞬間、スタンド、ベンチ、ピッチから雄叫びが上がった。110分の死闘の末、ベスト4をもぎ取ったのは関西代表の大体大だった。
大体大は試合内容でも勝った。鋭いカウンターで関東代表・国士舘DFの裏のスペースを何度も攻略。空中戦ではFW熊元の高さが光った。
先制点はその熊元。前半6分に中央でFW森からボールをもらうと、左足を一閃。約30メートルのロングシュートをゴール右上隅に突き刺した。前半23分には、大体大のクリアボールを熊元がヘディングで後ろにそらすと、ボールはそれを予想してDFの裏に走りこんでいた森へ。GKと1対1となり、シュートを放ったが、必死に戻った国士舘DFがスライディングでブロック。追加点の決定的なチャンスを逃した。
前半多くのチャンスを作りながらも1得点に止まった大体大。しかし前半、国士舘大に許したシュートはわずかに3本。逃げ切れる可能性は十分にあった。
それは一瞬の油断。そして国士舘の意地だった。後半28分、国士舘のDF天野が左サイドのペナルティエリア手前でボールを持つとミドルシュート。これが大体大ゴール右に決まり、1-1の同点となった。このとき「精神的にきつかった」という森。しかし「逆転できる」と信じていた。
後半途中から降り始めた雨の中、試合は延長戦に突入。森の「一番得意な形」となったのは延長前半7分だ。中央のFW川西からペナルティエリア右でDFの裏を狙っていた森へパスが出た。森はトラップすると冷静にシュート。殊勲の勝ち越しゴールを決めた。
あとは守り切るだけとなった大体大。だが、延長後半ロスタイム、ペナルティエリア手前から放った国士舘のシュートがバーを直撃。スタンドからは悲鳴が上がった。入りはしなかったが、アウェイの関西の地でも国士舘は最後まであきらめなかった。
この勝利で大体大はベスト4進出。次の相手は高知大となった。高知大は、昨年度の総理大臣杯準優勝の静産大を破っている。坂本監督は「高知は思った以上にやるチーム。これから対策を考えていきたい」と話した。決勝点を挙げた森は「今がベスト(の状態)。絶対に勝てる」と自信を見せた。2部チームの快進撃はまだまだ終わらない。
●2008年度総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント2回戦(7月8日・鶴見緑地球技場)
大体大 | 2 | 1-0 | 1 |
国士舘 |
0-1 | ||||
1-0(延長前半) | ||||
0-0(延長後半) | ||||
熊元 森 |
得点者 |
選手1 |
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