残り4秒。試合終了目前で勝利は離れていった。松下電工のRB石野にエンドゾーンまでの7ヤードをフリーで走り抜けられ同点にされると、直後のTFPも許して逆転負け。鳥内監督は「ノーマークになってしまったやろ。あれはショックや」と厳しい口調で話した。

 日本最強チームに対して一時はリードを奪った。同点で迎えた第4Q6分、RB稲毛の13ヤードTDランで6点を先行。9分にはDB徳井が値千金のインターセプトを決めるなど、松下電工の反撃を封じていた。だが、残り1分からだった。松下電工のパスが連続で成功。関学は一気に追い詰められ、逆転につなげられた。

 「こんなもんちゃう。勝てるチャンスがあるのに勝たなあかん」。関学を大学日本一に5回導いた名将は選手らを突き放した。

 2戦連続で試合終盤に落とし穴が待っていた。6日前には昨年の大学日本一決定戦「甲子園ボウル」で破った日大と対戦したが、残り2分で逆転負けを喫した。「俺が止めてやろうという奴がいなかった」と徳井。気持ちの面でスキがあった。

 フリーになったレシーバーのパス捕球ミスが目立つなど、オフェンス面でも課題は多い。「レシーバーと細かいところまでコミュニケーションを取らなければいけない」とエースQB加納。次は1週間後の明治大戦。春季もあと2試合を残すだけとなったが、主将のDL早川は「細かいところまでこだわらないと日本一になれない」と危機感を口にした。

●第58回神戸ボウル(6月7日・王子スタジアム)
 

  1Q 2Q 3Q 4Q
関学 0 9 6 7 22
松下電工 7 2 0 14 23