このボランティアウォークは平成3年10月から毎年春秋に行われており、10キロのコースを歩く。世界の遺児の現状を伝え、歩くボランティアや寄付での賛同者を増やし、思いやりの心を持つよう啓発することを目的としている。33回までに約40万人が参加し、寄付金は40億円に達している。
参加費は同イベントの開催に使用され、今回集まった寄付金はあしなが育英会に全額寄付され、世界の遺児に対して、日本留学支援及び現地で読み・書き・そろばんを学べる「寺子屋教室」の建設費用に充てられる。

源氏物語の地といわれる、京都府宇治市内を歩くコースには学生の他に社会貢献活動として会社員なども訪れ、約250人が参加。代表の梶原崇志さん(京大・2年)は「歴史ある地で楽しんでもらえれば嬉しい」と話す。
宇治のコースで掲げたテーマは「当たり前のことは実は当たり前ではない」こと。梶原さんは中学1年の時に心筋梗塞で父親を亡くしてから、「当たり前」だった父親の存在をより強く思うようになったという。コースの合間にテーマに合わせた寸劇を入れるなど工夫を凝らした。「いつも周りに人がいることに感謝してほしい」と梶原さんは願った。

京都外大の演劇部に所属する川畑行史さん(3年)は2回目の参加。大学で広告を見つけ、部活の仲間を誘ってきたという。「前回楽しかったので、今回も来ました」と笑顔で話した。