事故からまもなく3年が経つ。学生はいかに事故を捉えているのか。調査は聞き取り形式で無差別で実施、420人から回答を得た。

 通学や買い物など、学生は電車を利用する機会が多い。多くの人を安全に目的地まで運ぶはずの電車が突然、命を奪った。今回、全体の45パーセントにあたる192人の学生が「事故が起きてから気持ちの面で変化した」。そのうち、半数がJRを回避、または前の車両に乗らなくなった。

 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は最終報告書が昨年6月に公表。国による事故の調査は終わったが、約80パーセントが「事故は終わっていない」と回答。また、遺族や負傷者が事故の風化防止などを目的に様々な取り組みをしていることを約65パーセントが知っており、事故に対する関心が学生の中で高いことがうかがえた。

 当時、事故現場の光景を目にして「衝撃を覚えた」との声が大半を占めた。そのなかで「部活の先輩や友人の親、兄弟が亡くなりました。本当につらかった」(京女・3年)、「知り合いの兄がなくなった」(関大・3年)など大切な人を失った学生もいた。また、遺族や負傷者に必要以上に取材を行うなどの「加熱報道」に疑問を持った学生もいたことがわかった。

 「思いに変化はあるか」との問いに「昔のように電車に乗るたびに思いだすことはなくなった」(関大・3年)回答が少なからず見られ、事故の印象が薄れていることは否めない。しかし、「4月25日が近づけば思いだす」(同)、「当時から思いに変化がない」(神戸大・2年)回答が半数を超えることから、4月25日は学生の中でも特別な日であるといっても過言ではないようだ。