近年の学部増加を「世の中の大きな流れに大学が応えた形」と隠地さんは分析する。IT化が推進された平成12年度以降は情報系学部が多く新設され、小泉元首相が主導した観光振興政策後は観光学部の新設が相次ぐなど、大学は常に社会のニーズに応え続けてきた。
 学部増加により「学ぶ分野が細分化されたために、より良い人材を社会に輩出できるようになった」(隠地さん)。以前までは「治療したい」者と「医療の研究に携わりたい」者は、目的が大きく異なるにもかかわらず両者とも医学部に入るという選択肢を選ばざるを得なかった。しかし、今年新たに同志社に生命医科学部、立命に生命科学部が新設されたことによって、「医療の研究に携わりたい」者は自分に合った学部を選択することが可能となった。
 さらに、この細分化によって受験生は将来のビジョンを持ちやすくなり、大学受験に対してやる気を起こしやすくなるという。

 社会の動きと共に変化し続けている大学。「世の中は文・理に分けることでは収拾がつかなくなってきているため、同志社の文化情報学部のような学部も増えるのではないか。また、国際化の波に乗って国際系の学部もまだまだ増えそうだ」と隠地さんは考える。
 しかし、このまま学部は増え続けていくのか、というとそうとは限らないようだ。「例えば阪大と大阪外大の統合など、だいたい10年くらいのスパンで大きな動きがある」と隠地さん。

 大学は社会だけでなく受験生のニーズにも対応している。この動きの中で受験業界では「以前までは指導力の比重が大きかったが、現在は学部で学べる内容や試験問題などの膨大な情報を分かりやすく伝える情報力への要求が非常に高まっている」と隠地さんは話す。近年の傾向として予備校で開催される大学の説明会に新設学部の教授が学部の魅力を直接伝えようと訪れることが少なくないという。
 来年以降も「関関同立」で学部は増える。それに伴う新たな対応に受験業界は迫られることになる。