圧勝だ。関東選抜Bとの3位決定戦に臨んだ関西選抜B。関東勢相手に、最高の試合で大会を終えた。

 「ずっと点取ってなかったんで、取らなあかんと思ってて」。最後の試合で、FW前川(関大・2年)がハットトリック。関西の意地を、関東に見せ付けた。

 前半13分に先制を許すも、3分後に同点ゴールを奪った。30分にはMF大屋(関大・3年)のシュートのこぼれ玉に反応した前川。FWとして、ゴールへの嗅覚が抜群だった。35分にキャプテン大屋が追加点を挙げたが、関西Bの勢いは止まらない。圧倒的なボール支配率で、怒涛の攻めを見せ続ける。

 後半3分、左CKのこぼれ玉に、またしても前川。ハットトリックを達成し、関西Bのリードは3点に。後半7分にDF大久保(大教大・2年)が退場処分を受け、一時は押し返された時間もあったが、後半13分にMF藤澤(関大・1年)が豪快なミドルシュート。さらにリードを広げ、試合を決定付けた。

 「90分、ずっと試合の主導権は握れない。試合の流れを読んで、どうプレーするかっていう判断はまだまだなところがありますけど、みんなよく頑張ってくれた」。あえて厳しい注文を付けた島岡監督。それはチームに対する愛情の裏返しだ。「選手たちにはありがとうと言いたい」、笑って選手たちを見やった。

 一方、関西選抜Aは悔しいPK負けを喫した。「ボールは回せていたんだが」(松本監督)、点が奪えない。スコアレスドローに持ち込まれ、PK戦で2-4。大会6位が決まってしまった。

 「前半の入りが良くなかった。横パスが多くて、縦への速さがなかった。そこを後半に修正したけれど、退場者が出てしまって点が取れなかった」と、指揮官は冷静に試合を分析した。DF森本主将(同志社・3年)も、「むしろボールを回させられてた。前の選手と後ろの選手とで、同じイメージを描けなかった」と話す。< /DIV>

 この試合で、関西A、B共にチームは解散。各選手、これからは所属チームに戻り、2008年度のリーグ戦へ向けて調整をしていく。大会は終わったが、選手たちのシーズンはむしろこれからが本番。「選抜チームでやって、『あぁ楽しかったな』では意味がない。ここからの選手たちに期待」(島岡監督)、「全国と戦うにはこれくらい要るんだな、ってのをチームに持ち帰って欲しい」(松本監督)。

 大会の終わりと共に、次のリーグ戦の足音が聞こえてくる。

~大会最終順位
1位 東海・北信越選抜
2位 九州選抜
3位 関西選抜B
4位 関東選抜B
5位 中国・四国選抜
6位 関西選抜A
7位 関東選抜A
8位 北海道・東北選抜

~大会優秀選手(関西のみ)
DF 田中雄大(関大・1年)
MF 木原正和(阪南・2年)
MF 大屋翼(関大・3年)
MF 楠神順平(同志社・2年)
FW 西田剛(阪南・3年)

~オランダ遠征メンバー(関西のみ)
DF 田中雄大(関大・1年)
MF 木原正和(阪南・2年)
MF 大屋翼(関大・3年)

○各選手コメント
FW前川…「全国のレベルでやって、自分のここが通用する、通用しないが見えた。これをチームでも生かしていきたい」。
DF田中…「疲れもあって、自分の持ち味であるキック(ロングフィード)とか運動量があんまり出せなかった。色んなチームと対戦できたし、関東に勝てたのは自信になった」。
MF楠神…「(個人としては)ドリブルとか、何もできんかった。(チームとしては)みんなやることをやって、一つになれてたし頑張れてた」。
MF大屋…「今年で3回目なんですけど、今までで一番楽しかった。みんな仲良くて、雰囲気も良かった。キャプテンとして、上手いやつらをまとめるのが難しかったけど、3位という結果が出せて良かった」。
DF森本…「練習試合からなかなか点が取れなくて、雰囲気が沈みがちだった。なるべく切り替えてやったつもりなんですけど。1点決まれば、っていうもどかしさはありましたね」。

●第22回デンソーカップチャレンジサッカー宮崎大会3位4位決定戦(3月2日・宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場)
 

 

関西選抜B 5 3-1 2

関東選抜B

2-1

前川(前半16分、同30分、後半3分)

大屋(前半35分)

藤澤(後半13分)
 

得点者

島田(前半13分)

三平(後半20分)

●同大会5位6位決定戦(3月2日・宮崎市国際海浜エントランスフプラザ)
 

関西選抜A 0 0-0 0

中国・四国選抜

0-0
  2-4(PK)
  得点者