狙いすましたシュートが、ポストに当たり、キーパーがキャッチ。キッカーのMF楠神(同志社・2年)は頭を抱えた。

 第22回デンソーカップチャレンジが、宮崎の地で開幕した。2日間で4チーム総当りのグループリーグが行われ、3日目には順位決定戦が行われる。大会初日の今日は、関西選抜A、B共にGL2試合を消化した。

 島岡監督の下、ポゼッションサッカー(ボールを保持することで試合を支配する戦術)で「もちろん優勝を目指す」関西選抜B。彼らの大会1日目はほろ苦いものとなった。

 1試合目は、東海・北信越選抜戦。チャンスらしいチャンスも作れず、攻撃陣は不発に終わる。「ふがいないです。やばいっす」。キャプテンのMF大屋(関大・3年)はそう何度も口にした。「足元へのパスが多い。ボールを持ってないときに、全然走れてない」。所属大では走ることを強制されない選手で構成される、選抜チームゆえの課題だ。「良い経験したんとちゃいますか」。指揮官もぶ然とした表情で振り返った。

 2試合目は、中国・四国選抜戦。先発メンバーを大きく入れ替えて試合に臨んだ。すると、目指す「ポゼッションサッカー」の形が出来始める。守りを固める相手に対して、中盤では圧倒的にボールを支配。そして迎えた後半8分だ。MF田所(大体大・3年)のペナルティエリア内へのドリブル突破に、相手DFがたまらずファール。PKを獲得、この試合最大のチャンスを得る。

 キッカーはもちろん同志社のファンタジスタ、楠神。ゆっくりとボールをセットし、短めの助走。狙いすましてゴール左隅へ流し込む、はずだった。無情にもシュートは左ポスト内側を直撃。相手キーパーが難なくこれをキャッチすると、掴みかけていた勝ち点3がするりとこぼれていった。

 「同じ0-0でも、(1試合目に比べると)だいぶ良くなってきている。チームとしてやろうとしてることが、出来つつある。明日勝って1位で通過したい」(島岡監督)。

 「最悪やー」。楠神は試合後、悔しそうに叫んだ。上位進出へは勝つしかない最終節、関東選抜A戦。いまだ勝ち星のない両チーム、プライドをかけた東西対決が明日、始まる。

 対して、松本監督率いる関西選抜A。まさかの2連敗を喫してしまった。「両方とも立ち上がりに点を取られたのが痛かった。こっちが1点取ってれば、また違った結果になってただろうが…。明日は、次に繋がる試合をしたい」(松本監督)。キャプテンのDF森本(同志社・3年)も、「20分ハーフっていう短い時間の中で、修正が出来なかった。個々の力の差は無いと思うけど、もっとコミュニケーションを取らないと」。出鼻をくじかれ、上位進出の可能性は絶たれたが、明日の北海道・東北選抜戦は「完封勝利してみせる」(森本)。

~現在順位(カッコ内は勝ち点)
グループA
1位 東海・北信越(4)
2位 関西B(2)
2位 中国・四国(2)
4位 関東A(1)
グループB
1位 関東B(6)
2位 九州(6)
3位 関西A(0)
4位 北海道・東北(0)

●第22回デンソーカップチャレンジサッカー宮崎大会グループA第1試合(2月29日・宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場)

関西選抜B 0 0-0 0

東海・北信越選抜

0-0
  得点者  

 ●同大会グループA第3試合(2月29日・同競技場)

関西選抜B 0 0-0 0

中国・四国選抜

0-0
  得点者  

●同大会グループB第1試合(2月29日・宮崎市国際海浜エントランスプラザ)

関西選抜A 0 0-1 1

関西選抜B

0-0
  得点者

三平(2分)

●同大会グループA第4試合(2月29日・同プラザ)

関西選抜A 0 0-1 1

九州選抜

0-0
  得点者

中筋(12分)

※20分ハーフ。