神戸大グリークラブは普段、ホールなど静かな場所で合唱するという。しかし、今回の会場は三宮の中でも特に人通りが多い神戸マルイ三宮センター街入口前。「こんなところで歌うのは滅多にない」と話すのは部長の新森隆司さん(経営・3年)。普段中々聞くことがない男声合唱に、通りすがりの人らは立ち寄り、耳を傾けていた。

 震災の被害に遭った人々を意識し、犠牲者を追悼する鎮魂歌、および被災者を励ます歌を選び、合唱した。

 新森さんは震災当時、小学生低学年で大阪に住んでいたため、具体的な被害状況などを把握できずにいた。しかし、大学に入り、クラブ内に震災の被害が大きかった西宮市や明石市などで被災した学生がいること、今回の行事に参加することで、ある思いが新森さんの中で生まれた。「震災を忘れてはいけない」。

 今メモリアルシリーズは次回で最終回となる。最終回は17日、午後7時から神戸国際会館で行われる。チケット問い合わせはキョードーチケットセンター(06-6233-8888)まで。