原動力は好奇心 オーストラリア1周をママチャリで
平成19年1月から9カ月かけて、オーストラリア大陸をママチャリで1周した。「体力より気力の問題」と特に体力づくりや下調べもしないまま日本を出発。ところが、すぐに見つかると思っていたホテルがなかなか見つからず、着いてから3日間、野宿して夜を越した。4日目にしてやっと見つけたモーテルで、同じ「チャリダー」(チャリ+ライダー仲間からもらった差し入れは、「涙が出るくらい嬉しかった」。
小さい頃から好奇心と冒険心が強く、「チャレンジしてみんと自分のできる範囲がどこまでかわからん」と、まず行動をおこすタイプだった。 高校生の時、友人らと共に琵琶湖までママチャリをこいだのをきっかけで、それ以来西日本各地をママチャリで回るようになった。その後、大学1年の春に沖縄までたどりつくと、目指す目的地は自然と海外へ。今回のオーストラリア大陸1周を計画した。
「今だから良い経験になったと笑って話せるけれど、もちろんもう2度とやりたくないです」。佐藤さんは旅を振り返って笑う。旅の途中、延々と続く道のりと、降り続く雨に、「なんでこんなことしとんやろ」と精神的に落ち込んだりもした。それでも、決して挑戦を諦めることはなかった。ただひたすら前に進んだ。「やめたいと思うことは何度もあった。でも、やめようとは思わなかった」総距離18300kmにもおよぶ果てしなく長い道のりを、強い意志が支え続けた。
帰国後は、自分の好きなことを突き詰めていくことに対して迷いがなくなり、「余計図太くなった」と話す。
そんな佐藤さんが今興味を持つのが、大学の研究分野と経済とを結びつけてとらえるという、アメリカの大学の研究スタイル。お金や人の流れと、経済とのつながりについて学びたいと、留学も視野に入れる。
「未知への恐怖よりも、興味が勝る。不安を感じる要素はない」と、その言葉に迷いはない。「自分に足りないもの、そこに向かって走りたい」好奇心を原動力に、佐藤さんは今日も走り続ける。
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