掴みかけていた決勝T進出が、するりとこぼれていった。

1-1で迎えた後半43分だ。カウンターを食らい、DF2人が振り切られ、痛恨の失点。退場者を出しながらも10人で踏ん張ってきた関大守備陣が遂に破られた。反撃むなしく試合終了のホイッスルが響くと、選手たちはピッチにうずくまった。3年連続の決勝T進出が絶たれ、4年生の引退試合となってしまった。

 「10人どうこうの問題ではない。実力の問題」。関大川端監督は涙目で振り返る。前半26分に先制され、同30分にDF宇佐美が退場処分を受けた。それでも下を向かず、後半6分にはFW佐藤が左クロスに合わせて追いついた。今年度総理大臣杯ベスト4、九州の古豪福岡大相手に、10人で善戦はした。しかし、「自分たちのプレーに対する甘さが出たと思う。まだまだサッカーの質は低い」(DF大屋)。全国の壁は厚かった。

 少し早いシーズンオフとなってしまったが、「若手を育成し、次こそは日本一、リベンジを」。指揮官は既に来季の戦いを見据えている。涙を拭い、日本一へ向けてもう一度、関大が走り始める。

●第56回全日本大学サッカー選手権大会グループリーグ第3節(12月23日・鶴見緑地球技場)
 

関大 1 0-1 2

福岡

1-1
佐藤 得点者

伊古田

森山