全国制覇、2部降格、1部復帰。立命サッカー部の、酸いも甘いも知る男、永田亮太。京都サンガユースからトップチームに上がれず、高校卒業時に1度は壁となったプロの道に進むことが決まった。

 兄の影響で始めたというサッカー。京都サンガJrユースに所属していた頃は、右サイドハーフで試合に出ていた。そしてそこで、「僕のサッカー人生の大部分を変えたと言っても良い」人物に出会う。それが、現湘南ベルマーレ監督であり元京都サンガJrユース監督である、菅野将晃だった。菅野監督にボランチへとコンバートされた永田。そのポジションは、大学時代を経ても変わることはない。「とにかく熱い人。運動量とか、球際とか、厳しくいく」。高校、大学の7年間を挟んでまた、恩師の下でプレーすることになった。

 立命では、パスを散らして二列目に飛び出すプレーを身上とし、不動の攻撃的ボランチとしてチームを引っ張ってきた。平成18年度総理大臣杯。決勝で先制点を挙げるなど、3年生ながら立命を全国の頂点へと導いた。しかし迎えた翌年度の関西学生サッカー春季1部リーグ。「全国優勝という目標はあった。でもそれ以前の目標をはっきりさせてなくて、気負いすぎて空回りした」。歯車がかみ合うことなく最終節を迎え、屈辱の最下位、2部自動降格が決まった。それでも永田は前を向いた。「2部に落ちたことは仕方がない。下向いてても一緒、どう勝つか、いかに自分のプレーをするか、を考えた」。秋季2部リーグでは永田本人も6得点するなど副キャプテンとしてチームをけん引、文句なしの1部復帰を果たした。

 「(オファーがあった時)迷わず決めた」と目を輝かせるJの舞台。これからはJ2に所属する湘南ベルマーレでプレーすることになる。「球際の強さ、ハードワークっていう印象がある」と話す湘南は、菅野監督の下、今季J2で6位、十分にJ1に上がれる力を付けてきた。「大学では自由にサッカーをやらせてもらえた。でもプロは全然違う。監督の望む選手になって、まずは1試合でも多く試合に出たい」とプロへの抱負を語る。恩師に7年間で成長した姿を見せられるか。湘南の青い海をバックに、永田がプロの道を歩き始める。

●永田亮太(立命館大学-湘南ベルマーレ)

 1985年5月17日生まれ、京都府出身のMF。平成17年度関西学生サッカー秋季リーグ優勝、第30回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝。平成18年度全日本大学選抜。

 ○同じく立命館大学から横浜Fマリノスへ新加入内定が決まった古部選手について。

 「最初は(先に古部選手の内定が決まって)うらやましかった。同じ神奈川県やし、これからは良いライバルとしてやっていきたいです」