世界を救おうとする大人の姿を若者に
コアミーティングでは、「アーティストは世界を救えるか?」をテーマに、坂本龍一さんら世界のトップアーティスト7人が、社会と関連した自らの体験やアイディアを披露、提案。世界を救おうとする人間がいることを、身を持って議論やパフォーマンスで参加者に示した。その中で、アーティストは「答えを安易に求めないこと」、「答えは自分自身で考えるものであること」、「何かに固執するよりも表現していく重要性」をそれぞれに訴えた。アーティストの1人である美術家のイングリッド・ムワンギさん(ケニア)は、表現せずにはいられない思いや感情を、アーティスティックな声で表現。その声に感動し、目頭をおさえる参加者も見られた。美術家で議長を務めた宮島達男さんは、「時々がっかりするような大人もいます。でも、決して失望したり諦めたりしないでください。(世界アーティストサミットに集ったアーティストのような)モデルとなるような大人もたくさんいます」と訴えた。公開シンポジウムでは、「全国高等学校デザイン選手権大会」上位3校の高校生によるプレゼンテーション、コアミーティングの討議結果報告、「未来をになう文化力」と題したパネルディスカッションが行われた。コアミーティングの討議結果報告では、「FIRE WORKS MEETING」と名づけられた花火のように話し合いの輪を広げていくミーティングを一人ひとりが実践しよう、という提案をはじめとしたアイディアが公表された。議長の宮島さんは「大人の真剣な姿は、若者に伝わった。アートが何かではなく次につなげる何かになってほしい」とまとめた。
第2回世界アーティストサミット学生サポートスタッフ「Force」全体リーダーの中山陽介さん(京都芸術デザイン専門学校)は、「一般にはさめた大人が多い。技術、テクノロジーはよくなっても、全然世界はよくなっていないと悲観視する傾向があるけれど、まだ何とかなると頑張る姿は伝わる。それを次の世代に伝えていけたらいいと思う。伝染していく、共鳴しあっていくことがアートの役割」と話した。
【編注】記事を更新しました。(平成19年12月10日・午前7時30分編集部入力)
コメントを残す