育成選手での入団は、3年以内に支配下選手として契約されないと自由契約となる険しい道。それでも、籾山は「育成選手というのは条件しては厳しいものがあるけど、上があるのを考えて」。迷うことなく、憧れのプロの世界に飛び込むことを決めた。

　右投げ右打ち。小学3年から野球を始め、天理高では3年夏に甲子園に出場し3回戦まで進出。立命では、1年春に代打で初出場し、2年秋からレギュラーに定着。4年春からは主将としてチームを牽引。秋には打率3割を記録し、ベストナインにも選出された。

　指名を受けた瞬間は、京都市北区にある野球部の合宿所でドラフト中継を見ていた。「ほっとした。うれしかったのが一番」と籾山。「先輩のいるとこに入って、何かの縁かなと」。巨人には1年上の先輩・金刃がいる。1日でも早く、先輩と同じ舞台に立ちたい。1軍での活躍に思いをはせると、自然と気持ちは高ぶる。

　現在は立命の練習グラウンドで、バッティング練習を中心に後輩とともに汗を流している。プロのチームに初めて合流するのは、来年の1月上旬にジャイアンツ球場で行われる新人合同自主トレから。「自分の一番アピールしたいとこはバッティング。右に進塁打打ったり、その場に応じて打ち分けられたら」。

　背番号は3桁からのスタート。籾山は自慢の打棒に磨きをかけ、一日一日勝負を挑む。今は一番下の立場でも、必ずはい上がってみせる。