思わぬ苦戦に、誰もが胸を撫で下ろした。「今日は勝ててよかった」。古橋ヘッドコーチは安堵の表情を浮かべた。
 51点差で快勝した前回の京大戦とは一転。立命らしからぬ試合展開が続いた。第1QにFGを決められ、今季初めて先制点を許した。その後TB家亀のTDで逆転するも、第4Qにはインターセプトが原因で一時1点差に詰め寄られた。それでも最後に自力を見せ、再び家亀がダイブで押し込みTD。なんとか勝利を手繰りよせた。
 「準備不足だった」とQB木下。2週間後には同じく全勝で並ぶ、王者関学との試合が控えている。昨年、雨の神戸ユニバー記念競技場で関学に2点差で敗北。5連覇を逃し、悔し涙を流した。選手の頭は「打倒関学」でいっぱい。目の前の試合に集中できていなかったのは事実だった。だが、不満の残る内容にもやっとの思いでつかんだ勝利に「厳しかったが最終的には勝ててよかった」と岡本主将は素直に喜んだ。
 スタンドには昨年4年生だった卒業生が大勢応援に駆けつけていた。「絶対、あの人らの思いを汲んでやろう」。試合後、岡本主将は全部員とスタッフを前に必勝を誓った。「絶対、関学に勝つ」。応援する全ての人の期待を背に、立命は頂上対決に臨む。

●関西学生アメフットリーグ(11月11日・エキスポフラッシュフィールド)

  1Q 2Q 3Q 4Q
立命 0 7 3 7 17
関大 3 0 0 6 9