同募金はあしなが育英会の奨学金で大学、高校に通う遺児学生が中心になって実施するもので、昭和45年に開始されてから毎年春秋に全国数百箇所で行われている。集まったお金は全額、遺児学生らの奨学金としてあしなが育英会に寄付される。
 あしなが育英会の奨学金を利用する大学生、高校生の数は年々増え続け今年度は5546人(10年前の約1・5倍)。これに対し、同奨学金を支える継続寄付者の数は平成12年の約2万9000人から3300人減少した。同募金では「あしながさん3万人大募集」を掲げ、全国で学生らが声を張り上げていた。
 関西では駅前など46箇所で街頭募金を実施。その中のひとつ阪急桂駅前では、朝から晩にかけて同奨学金を利用する大学生を中心に、ボランティアスタッフを含めた数人が募金を呼びかけていた。高校生のときから募金活動をしているという京都外大1年の学生は「自分は高校生のとき、大学進学を諦めていたが、奨学金で行くことができた。でも、進学を断念した友人もいた。すごく悔しかった」。継続寄付者が減っている事実については、「7歳年下の弟がいる。高校には行けても、大学に進学できないかもしれない。すごく怖いです」と話した。今回、はじめて参加したという京大1年の学生は「思ったより多くの人に協力してもらって、温かさを感じた」と話した。「奨学生である自分の後輩たちのためにも、頑張りたい」。