同音楽祭は、大阪の中心である御堂筋から街を楽しくしていこうと昨年から始められた。テーマは「街を楽しみ、街を楽しく」。十数カ所ある会場がそれぞれ離れた場所にあるのは「普段行かない場所も知ってもらうため」(佐藤さん)。
 「お金をかけたらできることでは学生がする意味はない」と話す佐藤さんらは、金をつぎ込んでホールで演奏会を開くのではなく、カフェで演奏できるよう尽力した。バンドコンテストでは、優勝したバンドに賞金や賞品ではなく、CDを無料で出せる権利を与えた。
 今は財団法人大阪21世紀協会から資金を得ているが、「今後は自分たちでスポンサーを立てて予算も立てて、一人立ちしたい」と夢を膨らませる。「それは無理じゃないと思う」と佐藤さん。今年ライブを開かせてもらったカフェをコアとして来年以降さらに会場を増やし、規模を大きくしていけると考えるからだ。 「芽は出ている。それを引き継いで育てて」と後輩らに期待を寄せた。