遺族ら、「今の思い」語る
同フォーラムは、JR福知山線脱線事故被害者らからなる「4・25ネットワーク」が主催。同フォーラム第1部では遺族、負傷者ら15人が事故から2年目を迎えての思いを語った。息子の和哉さん(近大・当時3年)を事故で亡くした木下廣史さんは「事故当初は(和哉さんの)死を受け入れることができず、精神的な不安定な状態が続いた」と話す。しかし、時が経ち心の整理ができるにつれ「いつまでも(事故の)原因究明を行おうとしないJR西日本への苛立ちが増してきた」。また、大学1年の娘を亡くした男性は「(事故があった)あの日から日付けが止まっている。突然、『ただいま』と言って帰ってくるのではないかと思ってしまう」と言葉を詰まらせた。「かわれるものなら、かわってやりたい」(同男性)。
第2部では、日本ヒューマンファクター研究所代表取締役の黒田勲さん、桐蔭横浜大法科大学院教授の郷原信郎さんがそれぞれ、ヒューマンファクター、法令遵守をキーワードに、JR福知山線脱線事故を分析した。同フォーラムに参加した小野英明さん(立命・3年)は「ご遺族や大怪我をされた方が、本当の安全を求めているのがわかった。今回の事故の教訓を忘れさせないことが重要」と神妙な面持ちで話した。
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