防災意識の向上を
このシンポは阪神・淡路大震災の後、低下しつつある個人や地域での防災意識を再び向上させることを目的としている。防災政策責任者や防災倫理・規範に関する学術研究者が研究発表やパネルディスカッションを繰り広げた。会場には多くの神戸大生も集まり、メモなどを取りながら教授らの発表に真剣に耳を傾けた。
午前に行われた基調講演で布村明彦さん(国土交通省・近畿地方整備局長)は、「災害対策の基本は自助、共助、公助。(役所が行う)公助だけでなく、(自分自身で行う)自助、(地域単位で行う)共助も大きな減災効果がある。一人ひとりの備えが重要」と述べた。
午後には防災倫理に関する研究発表(下記)のあと、参加した教授らによるパネルディスカッションも行われ、防災倫理における指針などについて意見が交わされた。
震災社会学を研究し、今回研究発表を行った文学部の岩崎信彦教授はシンポ後、「いまの学生達はものごとを考えるセンスも関心もあるのに、その考えをお互いに話す場がない。このシンポをきっかけに、未来に向けて何ができるのか少しでも(学生達に)学んでもらえれば」と話した。
このシンポ開催を進めてきた油井清光(ゆい・きよみつ)教授は「多くの人が集まり、多くの分野の研究から問題が提起され、一定の成果はあった。今回の内容をまとめて授業で学生達に配るなど、もっと多くの学生達にこの問題を知ってもらいたい」と話す。この取り組みは来年以降も続けられる予定。
コメントを残す