・各大学の対応  今回、UNN関西学生報道連盟が調査した連盟加盟10大学では、「摂理」が新聞などで話題になって以来、それぞれ対策に追われている。  関学では、今のところ「摂理」からの被害を訴える学生はいないが、相談者には「キリスト教の牧師を紹介する」などの対策を立てている。このように、相談窓口を設けている大学が多いが、相談に訪れる学生はいないのが実状だ。  立命は「学内のメールアドレスを利用し、学生全員に注意するよう呼びかけた」。しかし、「今のところ被害の相談はない」という。同志社では「現在、各学部ごとに被害の集計を行っているところ」だという。掲示板などで注意を呼びかける大学も多い。京大では「サークルと称して、勧誘活動を行っている宗教団体に注意してください」と8月2日付で呼びかけた。【9月19日現在】 ・被害者の声  「高校時代の先輩に誘われたのがきっかけでした」こう話すのは、約3年前に「組織の隠蔽体質に疑問を感じて『摂理』を脱会した」という男性(学生・25)。彼は、「摂理」が運営するゴスペルサークルの幹部であった。彼によると、「(『摂理』が運営するサークルは)『摂理』であることを隠して勧誘してくる上、(サークルメンバーに対する)信者への勧誘も時期を狙って慎重に行う。自分が所属するサークルが『摂理』だと認識していない人は多いはず」。また、「サークル名や責任者が不透明であったり、会計報告がないサークルは怪しい」と話す。  約5年前に「摂理」を脱会したという女性(社会人・32)は、「上層部が信者から月10万の献金を強制し、私腹を肥やしていた。それを許す組織の体質が嫌で辞めた」という。彼女は「自分はカルトにひっかからないとは絶対思わないで」と大学生に警告を発した。 ・専門家の声  これまで数十人の大学生を「摂理」から脱会させたという高山正治さん(庭瀬めぐみ教会牧師)は、「摂理」の問題点として「会計の不透明さ、上層部が末端を酷使する構造」を挙げている。  高山さんは、カルトにひっかからないためには「人と少し話をして『いい人だな』と思っただけで、その人の全てを信用するのは駄目。おかしいなと思ったら、『ノー』と言う勇気を持つことが必要」と話した。 UNN関西学生報道連盟加盟10大学 「摂理」などのカルト団体対策【9月19日現在】 神戸大…HPで注意を喚起。相談窓口あり。 同志社…学部別に被害者数を集計する。 立命…学生にメールで注意を呼びかける。 関学…相談者にはキリスト教の牧師を紹介。 阪大…HPなどで注意を喚起。相談窓口も。 関大…新入生向け冊子などで注意を喚起。 神女院大…HPなどで注意を喚起する。  大阪外大…掲示板で注意を喚起。 京女大…サークルチラシに注意呼びかけ。 京大…HPなどで注意を喚起。相談窓口も。