松下電工は神戸大にとって「今季最強の相手」(田中主将)。経験・技術ともに豊富な社会人チームだ。春に培ったチームの実力を計れるため「勝ちに行くつもりで(試合しよう)とチームに呼びかけた」(安井ヘッドコーチ)。

 開始4分、松下電工の40ヤードFGで先制を許してしまう。さらに第1Q終了間際にもTDを決められ、0-10と引き離される。第2Q開始4分、神戸大のQB多和のパスを新人TE東内がエンドゾーン端でキャッチしTDを決めた。この後TFPも成功し点差を縮めたが、10分には再び相手のTDを許してしまう。

 第3Qはディフェンスが奮闘。松下電工の怒濤のプレッシャーを凌いだ。神戸大オフェンスは、的確にパスを回し陣を進めるが、結局両チーム無得点のまま第4Qへ。開始50秒に相手のTDが成立し7-24。なんとか得点に結びつけたい神戸大は10分、QB多和がWR大園へ17ヤードのパスを放つ。このプレーでは松下電工にパスインターフェアの反則がとられるが、パスは成功。反則をディクラインし、TDへとつないだ。しかし、試合はその後大きな動きを見せず、14-24で終了した。

 試合後、田中主将は「秋へのシミュレーションになった」と振り返る。「とはいえ(試合は)結果が全て。初戦まで時間がないので、早くレベルアップしないと個々の力が生きてこない」と秋を見据える。
 神戸大はこの日、2人の一年生が得点に貢献した。最初の得点にからんだTE東内は「自分がどれだけ通用するか確かめるいい機会だった」と話す。「とにかく試合に出て、スターターを取りたい」。WR大園は「一対一で競ったときに(ボールが)取れてよかったが、とにかく悔しい。強い相手には小さいミスが命取りだと思った」と振り返った。

 「今の時期に強いチームと当たれてよかった。これまで練習してきたことがどれだけ発揮できるか楽しみにしていた」と安井ヘッドコーチ。春先と比べて、チームの成長がうかがえたと話す。「選手には『これからがスタート』と伝えた。負けは負けでも経験になる。秋に向けて、基本(のプレー)ができるチーム作りを続けていきたい」と意気込む。