この試写会は、主演兼エグゼクティブプロデューサーとして全製作過程に参加した渡辺謙さん自身が「学生と話して、本音が聞きたい」と希望したことにより実現され、京都学生祭典のスタッフがメンバーを募集した。
　学生260人と渡辺さんとのトークセッションでは、時間を少しオーバーしつつも6人の学生が発言した。
　発言者の一人である立命の学生の「俳優として人に何かを伝えるときに大事にしているものは？」との問いに、渡辺さんは「はっきりとは自分でも言えない。（この作品では）原作を読んだときの暖かい気持ちをとにかく伝えたかった」と真剣な眼差しで答えた。
　渡辺さんを前に「あまりの感動にハンカチでは涙が抑えられなかった」と話した中川真理子さん（京大・2年）は、「目を見て話してくれたのがうれしかった」とタオルを握り締めながら興奮が冷めやらない様子だった。質疑応答を終えた渡辺さんは「世代を越えてメッセージを伝えられる映画はすばらしいと思えた。うれしい」と満足そうな顔で答えた。