【11・12月号掲載】コラム・おんな坂

 毎朝学内に住む野良猫一家に遭遇する。母猫と2匹の子猫、白と黒のぶち模様がかわいらしい。三毛猫、黒猫、トラ猫。一体何匹の猫がいるのだろう。授業が終わりげんなりしながら帰路に就く途中、毛繕いをする猫と目が合った。「にゃあ」と鳴く彼女は何を言っているのか。

 大学では色とりどりのヘアスタイルを見かける。金色、茶色、緑色。自由自在である。

 古代、染髪は宗教的、呪術的な意味を持っていた。日本で一般的に染髪が浸透したのは昭和30年代からだ。ヘアカラーは若い世代のファッションとして、白髪染めは身だしなみとして人々の生活習慣の一部となっている。

 大阪の高校で黒髪強要問題が話題となった。生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう指導を繰り返し、生徒を不登校に追いやったのではないかという話。過去にも全国で同様の問題がある。「地毛証明書」の提出を求める学校もある。生徒の染髪を禁止する学校は少なくないが、行き過ぎた指導が校則に違反していない生徒を傷つけていることが浮き彫りになった。

 日本国憲法では基本的人権の尊重が定められ、全ての国民が等しく教育を受ける権利を有すると記されている。今回の騒動は、学校側がその権利を侵害しているのでないかとの批判がみられた。

 猫は髪や瞳、皮膚の色の違いで私たちを区別するだろうか。猫の額をなでながら、試しに金髪に染めてみようかと思った。今日も猫たちは、就職活動が近づくにつれ黒く統一されていく私たちのそばにいる。

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