【9・10月号掲載】コラム・おんな坂

 小学生の時に行った遠足で東大寺の盧舎那(るしゃな)仏像に感銘を受けて、仏像に興味を持った。盧舎那仏像の素晴らしさは小学生の私にも伝わった。仏像は1体ずつ顔を持ち、それぞれ違った印象を受ける。仏像の目からは彫刻家が込めた魂が表れ、人間の個性が表れる部分も魅力的だと思う。
 私が一番魅力的だと感じた仏像は興福寺の阿修羅像。阿修羅像は顔が三つ、腕が六本の三面六臂(ろっぴ)といった異形だが、眉のはっきりとした整った顔立ちだ。少年のように憂いを帯びた表情で立っている姿に人間らしさを感じる。そんな阿修羅像は多くの女性の人気を集め、ファンクラブもある。私も就職してお金に余裕ができれば入るつもりだ。
 仏像や文化財の修復が学べる進路を以前は考えたが、今となっては趣味にとどめている。修復に携わる人々は1ミリの世界と戦っている。昔の名工は詳しい彫刻技法の知識と繊細な作業を長期間続ける体力があった。だから豊かな表情やその仏像の性格を人々に対して表現することができた。私は体力には自信があるが、不器用な上に細かいことを気にしない性格だ。人々を魅了させ、愛される仏像を作るのは難しいと思う。
 仕事として関わることは難しいかもしれないが、仏像が好きという気持ちは今でも変わらない。京都で学生生活を送れる4年間で多くの仏像に触れていきたい。

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