【7月号掲載】【特集】防犯意識 高める

 京都女子大では夏を前に京都府警本部・東山警察署の協力の下、防犯教室が開かれた。夏は薄着になり、女性への痴漢や盗撮など性犯罪の被害が増える傾向にある。被害に遭わないためにも、防犯についての知識を持つことが重要だ。

◆女子大学生のための防犯教室 性犯罪から身を守れ

 部活動に所属する京都女子大生を対象に、京都府警本部と東山警察署が防犯教室を5月31日に開いた。摂南大法学部の中沼丈晃准教授、学生防犯ボランティア「ロックモンキーズ」を招き、講義と体験型学習を行った。

 「性犯罪者はどうやって女性を狙っているのか」をテーマにした講義では、過去の性犯罪事例を取り上げながらその傾向を学んだ。性犯罪者の多くは被害者となる女性の生活パターンを把握して犯行に及ぶ。中にはコンビニで立ち読みするふりをして標的を選んでいる犯罪者も。逃走経路まで考え、計画的に犯行に及ぶ場合が多いという。外見や年齢にはあまり特徴がない。

 警察とロックモンキーズの学生による指導の下、実際に校舎を出て、講義内で犯行現場を設定。学生は実際に、性犯罪者が被害者を尾行する経路と性犯罪者の逃走経路を考えた。また、防犯カメラの設置場所を確認。京女大周辺で8カ所に設けられていることを確かめた。

 性犯罪者が被害者を尾行する際に初めに空ける距離は20メートル。徐々に距離を詰めて5メートルの距離で犯行に及ぶかどうか判断するとされている。学生は尾行し、背後から腕をつかむ加害者役と防犯ブザーを鳴らす被害者役を体験。尾行する側とされる側の距離感を実感した。

 体験学習を受けて、府警は「可能な限り避けるべき戦いが女性にはある」というスローガンをもとに性犯罪に遭わないための心掛けを指導。「ながらスマホ」や、音楽を聴きながら歩くのは危険だ。明るい道、人通りの多い道を選んで常に周囲に気を付け、自己防衛することが重要と話した。

 府警は常に女性警察官が駐在する松原交番を紹介。何かあれば相談を、と呼び掛けた。参加した太田夕里奈さん(大現・3年)は「部活動の帰りが遅いとき、気を抜きがちだった。今後は気を付けないと」と意識を新たにした。

◆日頃からできる防犯対策 知識備え賢い選択を

・東山警察署

 東山警察署によると例年6月以降、性犯罪が増加する傾向にある。5月中旬に2回、大学のウェブサイトに不審者情報が出ていたように女子大学生はターゲットになりやすい。

 犯罪者は不意を突いてくる。過去にはアパートの3階に軽々入ってくることもあったという。

 府警の竹内今日子さんは「近道したいからといって人通りの少ない道を選ばない、夜道はスマホを使用しないなど、知っているのと知らないのでは犯罪に遭う確率が違う。知っていてもとっさには声が出ないもの。知識を備え、自ら犯罪を招かない賢い選択をしてください」と訴えた。

・防犯設備

 京都で賃貸物件の管理を行うUltim(アルティム)の若山美世子さんは「女性限定マンションやオートロック式の物件が京女大生に人気がある」と話す。

 防犯設備は家賃によって違い、高ければ高いほど強化される。女子学生専用マンションのメゾンシリーズは家賃が少し高めだが、安心して生活するための防犯設備が整う。入り口に防犯カメラがつき、セコム・ホームセキュリティのサービスを受けられたり、部屋の鍵はオートロック式になったりしている。

 防犯設備が整ったマンションは人気があるが数は少なく、毎年4月明けにはほとんど契約される。防犯設備が整った物件は住む学生本人と保護者から好評。部屋を選ぶ際、防犯対策を念頭に置き、設備にも目を向けることが求められる。

◆街の安全 学生が守る

 京都府警学生防犯ボランティア「ロックモンキーズ」はパトロール、子どもやお年寄りに向けた防犯教室、防犯啓発のチラシ配布などを行っている。現在、府内の17大学・専門学校に通う学生と府内在住の学生計159人で構成されている。

 結成のきっかけは同年代から防犯を訴える方が犯罪抑止の効果があるのではという東山警察署の発案。これまでのロックモンキーズの活動は国から高く評価され、過去には内閣総理大臣賞を受賞している。府は大学生の人口が多いため、全国の都道府県と比べて犯罪被害に遭う大学生の割合も高い。ロックモンキーズの結成後、学生の努力もあってか被害は年々減少しているという。

 ロックモンキーズの塩崎由香子さん(大法・3年)は「学生主体で楽しみながら活動している。地域の人から感謝の気持ちを伝えてもらえるとうれしい」と話す。

◆編集後記

 今回の取材で、東山警察署や不動産会社がさまざまな防犯活動に取り組んでいることが分かった。

 これからの時期、薄着になると性犯罪に巻き込まれる可能性も高くなる。一人暮らしの下宿生は夜などに不安になることも多いかもしれない。そんなとき住居の防犯設備は、安心感を与えてくれる。日頃の防犯対策は、防犯教室で学ぶことができる。東山警察署が大学から近く、犯罪に遭ったときに相談しやすいのも心強い。

 周りの防犯設備が整っていても、最終的に問われるのは、自分自身の防犯意識だ。犯罪被害に遭わないよう日頃から気を付けることが一番の防犯になる。小さな気の緩みで、大きな後悔につながる可能性がある。犯罪に巻き込まれないようにするにはどうすればいいか、巻き込まれた場合はどんな行動をとればいいか。一度考えてみてもいいかもしれない。

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