京都女子大 藤花通信

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This article was written on 20 1月 2017, and is filled under コラム, 社会・文化, 総合.

【1月号掲載】コラム・おんな坂

 丸みを帯びた愛らしい身体に、こちらを見据える切れ長の瞳。2年前、私は旅先の骨董(こっとう)品店で彼女と出会った。どのような思いで生み出されたのか、彼女について知りたい。私は彼女を家まで連れて帰ることにした。

 昨年11月ごろに高校時代の友人から、写真の被写体になってくれないかという連絡があった。入稿作業に追われていた私は正直に断ろうと思った。しかし、友人が提案したテーマは「土偶と私」。私は友人の依頼を引き受けることにした。

 撮影される経験のない私には全てが新鮮だった。表情やポーズ、目線の角度など細かい指示に従う。微動だにしない「彼女」はプロのモデルだ。

 撮影後「土偶の魅力が分かった気がする」と友人は話し、写真展ではかなりの反響があったという。

 縄文時代に多く制作された土偶には、安産や健康などの願いが込められた。1万年ほど前に生きた人々の思いを今伝えることができたのなら、私はうれしい。

記者【清水綾里】