脱線事故遺児へ進学支援 募金とコンサートを開催

 JR福知山線の脱線事故で、両親を亡くした遺児へ進学を支援するための募金活動とチャリティーコンサートが、7月5日京田辺キャンパスの多目的広場で行われた。会場には通常のイベント時よりも多くの学生などが集まった。集められた募金は、事故の遺児の学業支援をおこなう「あしなが育英会」に寄付される。【7月5日 同志社大学PRESS=UNN】

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(写真=チャリティーコンサートで演奏する軽音楽部のバンド 7月5日午後1時1分、京田辺キャンパスの多目的広場で)

 コンサートには軽音楽部などのバンド9組が参加。この日は同部のジャズバンド2組が4曲を演奏した。コンサートの中で、企画を主催した西田有佑さん(商学部2年)は「JR最大の事故といわれ、同志社の3人の学生が亡くなった。今回の脱線事故を忘れてほしくない、風化させたくないという思いでこのコンサートを開きました。私たちは社会に対して見つめ続けていかないといけない」と訴え、会場に集まった人たちは1分間の黙とうをささげた。
 西田さんは今回の企画について、一瞬で多くの人の命を奪った事故の理不尽さを感じ、何か自分ができることはないかと思ったという。あしなが育英会の活動をインターネットで知り、高校時代からの友人で、軽音楽部部長の小倉寛朗貴さん(文学部2年)に音楽で事故に対する思いを伝える協力を頼んだ。
 「2、3週間でこの企画を準備しなければならなかったので大変だった」と小倉さんは振り返る。西田さんの願いに応え、軽音楽部員や知り合いのバンドの代表者にコンサートの出演依頼を呼びかけた。
 小倉さんの呼びかけに、コンサートへの参加を決めた前田諭志さん(文学部2年)は、10年前の阪神・淡路大震災で被災し、ボランティアの人に助けられた。「震災も脱線事故もどうしようもないことだという共通点があるので、何かできないかという感情がわいた」バンドの代表者の1人、鈴木克行さん(文学部2年)は「知り合いの同級生が脱線事故に巻き込まれた。人ごとじゃないと思い、すぐに参加を決断した」と話した。
 前田さんは「コンサートに来てもらわないと自分たちの気持ちは伝わらない。練習に時間が足りなかったが、やるかやらないかが大事」、鈴木さんは「頑張って演奏しようと思う」と抱負を語った。
 初日の4日は雨のため募金活動のみが行われ、約1万円の募金が集まった。募金箱は京田辺キャンパスの購買部やJR同志社前駅前の「ローソン田辺同志社前店」にも設置されている。募金活動とコンサートは7、8日にも行われる。

遺族が初めて参列 同志社女大で追悼礼拝

 JR福知山線脱線事故と盤越自動車道バス横転事故で犠牲になった同志社大生などへの追悼礼拝が、脱線事故から3ヶ月がたった7月25日、同志社女子大京田辺キャンパスの新島記念講堂で行われた。学生をはじめ約500人が参列した。【7月25日 同志社大学PRESS=UNN】

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(写真 犠牲者の遺影に向かって献花を捧げる大学関係者ら=7月25日午後5時10分頃、同志社女子大学京田辺キャンパスの新島記念講堂で)

 脱線事故では同志社大生が3人、同志社女大の大学院生が1人、バス横転事故では1人の同志社大生が亡くなった。講堂の舞台には突然の命を奪われた5人の遺影が飾られた。八田英二・同志社大学長は「犠牲になった学生たちは若い青春の日々を送るつもりだった。彼らを卒業させられなかったのは学長として痛恨の極みだ」と悔しさを述べた。森田潤司・同志社女大学長は亡くなった同大の音楽学会特別専修生、大森早織さん(当時23)について「オペラ歌手になるという夢があった。天国でも同志社の先輩として、後輩に様々なことを語り、歌を歌っていることでしょう」と話した。
 今回は、同志社大で行われた追悼行事で初めて、犠牲者の遺族も出席した。4人の遺族は舞台上で3ヶ月の間に浮かんだ思いを表し、同志社文学部英文学科の学生だった仙木敦子さん(当時18)の父は「脱線事故からこの3ヶ月の間、いろんな人からたくさんの手紙をいただいた。手紙を見て娘が精一杯生きた様子を知ることができた。彼女の魂は永遠に存在していて、私たちを見守ってくれている」と話した。
 バス横転事故で亡くなった佐藤学さん(当時18・同志社大経済学部)の母は涙ぐみながら「入学したかった同志社大学に合格して下宿を始めた時に、『お母さん、同志社に入れさせてくれてありがとう。がんばるから』と言ってくれた。息子を一生誇りに思い生きます」と優しかった学さんとの思い出を語った。
 最後に、遺族や大学の関係者らが献花台に花を添えた。献花の後舞台に上り、遺影に向かって長い間祈り続ける人の姿もあった。一般参列者の中にも、全てのプログラムが終わった後も席を立たずに冥福を祈る人もいた。
 事故車両の2両目に乗っていた友人が奇跡的に助かったという同志社大文学部文化学科の坂根真理さん(21)は「遺族の方のメッセージを聞いて涙が止まらなかった。遺族の人の気持ちに感情移入して、強い悲しみが伝わりました。亡くなった人のことを忘れないでいきたいと思う」と話した。