関西学生野球春季リーグ第5週1回戦同志社−関大が4月30日、スカイマークスタジアムで行なわれた。25日に起こったJR福知山線脱線事故で同志社生が亡くなったことを受けて、喪章を付けて球場に現れた同志社が9−8で逃げ切り、初戦を勝利で飾った。試合前、両チームはJR脱線事故の犠牲者に黙とうを捧げた。【4月30日 同志社大学PRESS=UNN】
試合は同志社打線が初回から爆発。五回終了時で8−3と大きく関大をリードした。このまま楽勝ムードかと思われたが、気の緩みからか試合後半にはエラーなどミスが目立った。9回裏には4点を失い、9−8からなおも二死三塁と追い詰められた。同点に追いつかれるかもしれない危機。しかし、関大の代打、高井を森中が三振に打ち取り試合終了。同志社は京大戦から続く3連勝を収めた。
吉川監督は「最後の(失点)は恥ずかしい」と9回裏、ミスから関大の猛追を許したことを悔いた。「なんとか勝てた。あぁいうことしてたら勝てないよと選手に言った」と苦笑い。
しかし、話題が25日の事故に移ると表情が変わった。「明るい話題を提供しようと思った。けがをして入院している人がいるという思いは選手にもあったと思う」と慎重な面持ちに。色々な意味で負けられない試合だった。試合前、選手に「元気でやれるのは幸せなこと。精一杯グラウンドでやろう」と呼び掛けた。
佐藤鉄男・野球部部長も同じ思いだった。「君たちはパフォーマンスで元気を与えられる存在なのだから、亡くなった人、けがをした人を元気づけられるよう心がけてプレーしてほしい」。佐藤部長は法学部部長も務める。事故現場にも訪れた佐藤部長は現場の様子を振り返り、「ほんとに痛ましい。悲惨だった。可哀相」と声を詰まらせた。犠牲者は京田辺で学ぶ1、2年生ばかりで、犠牲者の1人である長濱彩恵さん(2年)は教え子だった。昨年の秋、専門の導入科目を講義した。「1回生の単位を全てとっていた」。熱心な子だった。
喪章を付けるよう提案したのも佐藤部長だった。安全ピンで付けたため選手は試合中、喪章を外したが、監督やマネージャーは喪章を付け続けた。「哀悼の意を示したかった」と佐藤部長。
試合が行なわれたスカイマークスタジアムの旧名は「神戸グリーンスタジアム」。オリックスブルーウェーブ(当時)の本拠地だった。オリックスは阪神大震災が起こった1995年、「がんばろう神戸」を掲げ日本一に輝き、被災者を励ました。「がんばろう神戸」の快進撃はここから始まった。
同志社ナインもまた、グラウンドから「がんばろう同志社」と呼び掛けている。
●関西学生野球連盟春季リーグ(4月30日・スカイマーク)
▽第5節1回戦第1試合
同志社 300 050 010=9
関大 100 111 004=8
【同志社】○田林、森中−土田
【関大】●岩田、伊藤(維)、常藤−乙須
4月25日に発生した兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、関西学生報道連盟の取材、各大学のホームページにより、関西の大学生23人が犠牲になったことがわかった。(4月30日現在)【4月30日 UNN】
同志社、近大では各3人、関西福祉科学大、甲南大、大阪市大、大産大では各2人、関大、京女大、神戸学大、関西外国語短大、大阪教育大、大阪電通大、大阪電通短大、大阪府大、龍谷大では各1人の学生が亡くなった。
また、脱線した電車は同志社前駅行快速だったため、通学途中の同志社生24人が重軽傷を負った。
あしなが育英会が30日、JR福知山線事故の遺児を支援しようとJR元町駅前で募金活動を行った。約20人のスタッフが遺児の学費、心のケアのための募金を呼びかけた。【4月30日 神戸大NEWSNET=UNN】
同育英会では、今後も引き続き募金活動を続ける。問い合わせは、あしなが育英会レインボーハウス(078-453-2418)まで。