11年10月号

 大学は人生の夏休み。言い古された例えである。しかし卒業後に待つ働き詰めの日々を思えば、4年間ぐらい遊んで暮らしたくなるのも道理だ。
小学生時代、8月31日が来るのが辛かったという人は多いと思う。毎日遊び呆けた代償に残されたのは、まっさらの観察日記、読書さえしていない読書感想文。父親が嬉々として自由研究に取り組んでくれた私はまだ恵まれていたのだろうが、それでも「宿題が出せない」ということへの焦燥感は強烈にあった。
翻って、今夏。宿題は全くない。ただなんとなく怠惰な日々を送る自分がいる。誰も文句を言わないのは良いことなのか悪いことなのか。ゆっくりと、しかし確実に時は過ぎ、気付けば秋は目の前である。
もし本当に大学生活が人生の夏休みだとしたら。私たちは4年間で何らかの「宿題」を提出しなければならないのではないか。何でもいいからせめて一つ。胸を張って人に見せられるものを。そんな風に思えてならない。
寝苦しい夜が明け、凛とした朝の空気を吸いながら、小学生時代に感じたのと同じ焦りがこみ上げてくる。せめてこの新聞が、人生の「2学期」が始まっても誇れる「宿題」であることを願いたい。少なくとも今回は、私が自分の力で仕上げたものだから。

【伊藤寛幸】

お知らせ

 3月21日に当団体が発行いたしました4月号1面の「今年も出現!折田先生像 電波な学風に貢献!?」の記事にて以下の誤りがございました。お詫びして訂正致します。

【誤】NHKの地上デジタル放送推進キャラクター
【正】日本民間放送連盟の地上デジタル放送推進キャラクター


京都大学EXPRESS編集長 伊藤寛幸

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