【9・10月号】昼行灯

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 周りに流されずに生きていきたい。大学生になった私の目標だ。私は何をするにも、他人と同じでなければすぐに不安になる。それを避けるため、周りの判断や行動に合わせることで安心感を得てきた。過去を振り返れば、思い当たる節ばかりだ▼高校時代、受験勉強に励んでいた頃は、常に周りの判断を気にしていた。勉強の方法だけでなく、提出書類の細かな書き方や参考書の選び方まで、周囲と違えば不安になった。大学に入学してからは未知のことが増え「履修する授業は本当にこれでいいのか」、「課題のレポートの分量は」と自分では判断できないことを、より周りの判断に委ねるようになった▼自分を信じて行動することがどうしてこれほど難しいのか。それは私が普段から「世間体」というものを過剰に気にして生きているためかもしれない。「周りの選択に背いて一人別の行動をする私は、世間の目にどう映るだろうか」そんなことばかり気にしているから時に周りに合わせることが苦しくなり、生きづらさを味わうことになるのだ▼周りに合わせても、必ずしも成功するとは限らない。周囲と合わせて購入した参考書も自分に合わず、手付かずのままだ。自分を信じればよかったと後悔したことは何度もある▼私はもう大学生だ。これから先にある、就職や結婚といった人生の選択まで、周りに合わせてはいられない。私はどんなときも、たとえ一人でも自分を信じて行動できる人間になりたいと考えている。

【9・10月号】関大生署名活動 医療整備を求め

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 北海道八雲町にある国立病院機構の八雲病院が札幌市に機能移転することをめぐり、関西大生を含めた患者会「八雲病院のチーム医療を守る会」が治療体制の整備を求める署名活動を行った。

 八雲病院は、鼻マスク人工呼吸療法を日本で唯一チームとして行っている。患者会の発起人の一人、濵谷美綺さん(社・3年)は先天性ミオパチーを患い、呼吸器周辺の筋肉が弱っているため鼻マスクでの生活が欠かせない。年に1回八雲病院に通い、検査入院の他にもマスクの調整や日常生活の相談をしている。

 数年後には、八雲病院の神経筋医療機関を移転することを厚生労働省が決定した。交通の利便性を高めるためだ。移転によって鼻マスク人工呼吸療法を行っているチームが解体されるのではないかと、濵谷さんらは危惧する。「移転に関するシンポジウムに知り合いの患者さんと主治医さんが出席したが、納得できる話ではなかった。さらに公開されたはずのシンポジウムの動画や録音も消されたことに危機感を持ち、この署名活動を始めた」と話す。

 署名は今年3月と7月の2度に渡って、延べ1600筆を集め要望書を厚労省に提出。署名活動は関大でも行われ、学内だけで800筆を集めた。濱谷さんは「協力していただいたことについて感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。

【9・10月号】生体模倣の世界へ 小中高生へ向け講座開催

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  関西大千里山キャンパスで8月8日、小中高生を対象とした見学会「生体模倣(バイオミメティクス)の世界への誘い」が開催された。

 生体模倣とは、主に電子線顕微鏡(SEM)を用いることで生体の機能や構造を分析すること。微細加工装置を用いて模倣し、主に工学・化学・医療分野に応用する技術だ。ハスの葉を手本にしたはっ水加工技術やトンボの飛び方をまねたロボットなどが挙げられる。適者生存が働く生態系の中で進化した生物を模倣することは、特定分野での技術力の底上げにつながるとして注目されている。

 講座では、体験や実演を交えて、生体模倣に関するこれまでの取り組みなどが話された。またSEMによる生物の観察や、システム理工学部が開発した「蚊を模倣した注射針」「タコを模倣したロボットグリッパ(主に産業用ロボットに使われる、物体をつかむための関節のない部品)」などの実演が行われた。

 当日は小中高生と保護者を含め、50人以上が参加。講座を実行したシステム理工学部の青柳誠司教授は「アンケートの中では『面白かったけど少し難しかった』などの意見が寄せられたが、生体模倣のすごさは伝えられたと手応えを感じている」と語った。

【9・10月号】お客さんとのつながりを大切に 落語大学公演ボランティア

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 今年で創立54年目を迎える文化会落語大学では、10年以上前から落語の公演ボランティアを行っている。

 公演は2席から5席ほど。約2時間かけて噺(はなし)を披露する。「お客さんとの距離が近くて、勉強になることが多い」と渉外担当の関大亭治恩(本名=日栄健)さん(法・3年)は話す。

 日頃行っている寄席では客が落語を聞きに来てくれるが、自分たちから公演をしに行くボランティアでは予想外の状況になることもあるそうだ。「お祭りの余興として公演ボランティアをした時は野外で子どもたちに囲まれて落語をした。子どもたちの心をつかむのが難しかった」と振り返る。どんな状況でも客と一人一人コミュニケーションを取るように公演をすることが大切だと続けた。

 現在は1カ月に2回ほど公演ボランティアを行う落語大学。「2年以上のお付き合いがあるところもあれば、新しく連絡をして下さるところもある。そんなつながりを大切にしていきたい」と話した。

 今年の11月に引退する治恩さん。続く1年生は、10月ごろ初高座に臨む。「入部したてのころは緊張しながら公演をしていたが、今では自信を持って落語をすることができるようになった。後輩たちには胸を張って公演ボランティアをしてほしい」とエールを送った。

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公演中の関大亭治恩さん(本人提供)

【9・10月号】関大生監修 夏を彩る海の家

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 この夏、関大生が和歌山県の海を熱くした。人間健康学部の安田忠典ゼミの学生らが、7月15日から8月15日まで田辺扇ヶ浜海水浴場で海の家を開いた。調理や接客などをはじめ、学生主導で運営を行った。

   関西大と田辺市は連携して地域の活性化を図る和歌山県の「大学のふるさと」協定を結んでいる。昨年は同市の祭りにゼミ生が参加したこともあった。今回の企画はより深いつながりを目指して同市より発案された。

  海の家のコンセプトは「ハワイアン」。店ではロコモコやハンバーガーなどを販売した。メニュー決めや店内の装飾、運営方法も学生らが計画。地元の業者の協力も受けて準備を進めていった。期間中、学生らは市内の空き家を借り、泊まり込みで運営を行った。

 「全てがゼロからのスタートで、初めの頃は食材を発注する数やストックの量もまったく分からなかった」と話すのは、リーダーを務めた古川泰蔵さん(4年)。日がたつごとに慣れていき、順調に運営をすることができるようになったという。

  企画班として参加した泉芽衣さん(4年)は「この共同生活を通してゼミ生一人一人の性格や考え方を、徐々に理解できるようになっていった。海の家の運営面以外にも学ぶことがたくさんあった」と語った。普段とは異なる環境の中で、企画の全てに全力で取り組めたとゼミ生は声をそろえる。「遊びだけじゃない、バイトでもない、今までの夏休みとは違った『濃い夏休み』を過ごした、充実した1カ月間になった」と古川さんは笑顔で振り返った。 

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海の家を運営した安田ゼミ生

(提供=古川泰蔵さん)

【9・10月号】梅田キャンパス新設

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 関西大梅田キャンパス「KANDAI Me RISE(カンダイミライズ)」が10月1日、正式にオープンする。学生の新たな交流場所となることを目的として開設された。ビジネス支援をはじめとし、学生から一般向けまでさまざまなプログラムの開講が予定されている。

 梅田キャンパス内には一般向けの会員制異業種交流サロンや学生の就職活動を支援するキャリアセンター、講義を行うためのセミナールームなどの施設が備わっている。TSUTAYA BOOK STOREやスターバックスコーヒーなどが設置される1階と2階は一般開放され、多くの利用者でにぎわうことが予想される。

 阪急梅田駅から徒歩5分、JR大阪駅から徒歩8分と立地が恵まれている梅田キャンパス。「大阪の都市部にあり、一般の利用者や梅田周辺にキャンパスを持つ他大学の学生との交流が図りやすくなる。また、特定の学部を設置しないため、学部の枠を越えた取り組みを行える」と梅田キャンパス開設準備室課長の服部真人さんは話す。

 起業を支援するための「スタートアップ支援」事業など、起業関連の講義やセミナー、学生と支援者をつなぐ交流会も予定されている。関大生だけでなく、一般の利用者も参加が可能。「セミナーなどの講師も関大教員に限定せず学外から講師を呼ぶので、多様な視点からの学びを実現できる」と話した。

 梅田キャンパスの愛称「KANDAI Me RISE」には、関大生(Me)が将来大きく飛躍(RISE)できるようにという願いが込められている。500件以上の応募の中から、関大創立130周年のスローガン「この伝統を、超える未来を。」に意味が重なる名称が選ばれた。

 室長の吉原健二さんは「学生らと職員が、地元の人たちとともに関大をはじめとした大阪の活気の中心になってくれれば」と梅田キャンパスに期待を込めた。

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梅田キャンパスの外観(撮影=村上亜沙)

【6・7月号】昼行灯

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 自分に正直に生きていくことほど難しいものはない。日頃それを感じ、日々後悔して生きている気がする▼先日、年下のいとこと遊園地に行った際、メリーゴーランドを見つけた。私は幼少の頃からメリーゴーランドのとりこだ。年がいもなくメリーゴーランドではしゃぐのはさすがに気が進まないが、目に入った以上、乗らなければ気が済まない。半ば無理矢理、いとこを連れメリーゴーランドに乗り込んだ▼そこでふと周囲に目をやると、思っていたより人が多い。とっさに私は、「メリーゴーランドに興味ないけど、いとこに無理矢理乗せられて困っている大学生ですけど何か?」という演技をしてしまった▼そこからのことはよく覚えていない。覚えているのは困った顔をして、やや照れながらいとこの方を向いていたこと。余計な演技に気をとられ、肝心なメリーゴーランドの記憶は何も焼き付いていない▼普段も、ビデオ店で映画を借りる際には「別にディズニー好きじゃないけど頼まれて借りてるだけですが何か?」みたいな演技をし、ラーメン店に行くと、「今日は珍しく1人で食べてますけど何か?」みたいな演技をしながら食事をしている。すると結果的にラーメンの味よりも演技に夢中になってしまう。非常にもったいない▼自分に正直になることはやっぱり難しい。そして私はこのコラムを提出する際にも、必死に書いたくせに「急いで書いたから本気は出してないですけど何か?」みたいな演技をしている。

【6・7月号】「学生の力」生かしたビジネスプランコンテスト

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 新進気鋭の未来の起業家・ビジネスマンらが集うビジネスプランコンテストが、関西大で行われている。KUBIC(関西大学ビジネスプラン・コンペティション)は「商学部創設100周年記念事業」の一環として2006年にスタートした。今年で11年目となるコンテストだ。

 本選会は毎年10月に関大で開催される。名前は立方体を表すcubicから。積み木でさまざまな立体を作り上げていくように、知識や情報をうまく組み合わせて、新しいビジネスプランを作り上げカタチにする、という思いが込められている。

 コンテストのキャッチフレーズは「学生の力」。学生ならではの若い力を発揮し、柔軟な発想で考案されたビジネスプランが毎年集まる。

 また、関大生だけでなく他大や高校からの応募も呼びかけている。昨年は合計1742件の応募があった。

 「学生の力」を発揮するのは応募者だけではない。コンテストは学生が主体となって運営も行っている。委員会は毎年、関大で開催される本選会の準備を担当する。加えて、委員会内で2班に分かれてKUBICの宣伝・広報活動、商品の企画活動にも取り組む。関西大生協のパン店「サンメド」とコラボしてユニークな手作りパンを販売する「パン企画」を行うなど、精力的に活動している。

 本年度のビジネスプランの応募は6月11日に締め切られていて、本選会は10月8日に開催される予定だ。実行委員会代表の福田真亜子さん(同・3年)は、「毎年の目標は本選会を成功させること。1個でも、良いKUBICにしたい」と意気込みを語った。

【6・7月号】女子大生アイドル「Silk♡Parfait」

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 「Silk♡Parfait(シルクパフェ)」は関大生4人と専門学生1人の計5人で活動しているアイドルダンスコピーグループだ。普段はキャンパス祭に参加したり、千里山キャンパス内の悠久の庭で昼休みに学内ライブを行ったりしている。さらに、校外で行われるライブやイベントに参加することも多い。

 「シルクパフェ」は「パフェの妖精」をコンセプトとして活動。「名前のインパクトから覚えてもらいやすいし、いろんな食べ物が詰まったパフェのようにさまざまな魅力がある自分たちを見てほしい」とメンバーの林田智聖(ちさと)さん(商・3年)は話す。

 普段の練習では観客を意識して練習に取り組んでいる。さらに、コピーするアイドルたちそれぞれの踊り方の特徴を細かく分析した上で練習を行う。「自己満足で終わるんじゃなくて、お客さんをちゃんと笑顔にできるパフォーマンスがしたい」と林田さんは話す。

 各グループの表現力やダンスパフォーマンスから女子大生アイドルの頂点を決定するため、6月21日に開催されたユニドル関西大会。他の学生アイドルとは違う「かわいいだけじゃない」自分たちを表現するために、パフォーマンス中の「かわいらしさ」と「格好良さ」の切り替わりを意識したという。曲選びをメンバー全員で行い、衣装作りにも取り組んだ。 大会当日は、大学生や仕事帰りのサラリーマン、外国人留学生など幅広い層のファンが会場に足を運んだ。関西外大に通う学生は「雰囲気の切り替えも上手だったし、メンバー全員が表情豊かで、見ていて楽しかった」と舞台の感想を話した。

 8グループが大会に出場する中、「シルクパフェ」は見事優勝を勝ち取った。リーダーの山本有紗さん(商・3年)は「パフォーマンス中に聞こえてくる、自分たちの名前を呼ぶ会場からの声に圧倒された。本大会優勝というお土産を関西へ持って帰れるように頑張ります」と東京で行われる全国大会に向けて意気込みを語った。

ユニドル

左からメンバーのきらりさん、ちさとさん、ありささん、ゆいさん、りなさん

(6月21日・梅田amHALLで 撮影=有賀光太)

【6・7月号】社会にプラスの経済効果を 宮本勝浩名誉教授

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 「ネコノミクス」と呼ばれる猫ブームの経済効果は2兆316億円——。関西大大学院の宮本勝浩名誉教授(71)が算出したデータだ。これまで、あべのハルカスの完成や大阪マラソンの開催、アイドルグループAKB48の選抜総選挙など、いくつもの社会現象やイベントの経済効果を試算してきた。近年では、メディア出演やニュースでも取り上げられる有名な教授だ。

 普段は理論経済学を専門に研究している宮本教授。地域の活性化を目的に、経済効果を算出する。活動はメディアや地方自治体からの依頼だけでなく、自分が単純にやりたいという理由で取り組んでいるという。「(経済効果の計算は)趣味で始めた。気がついたら、メディアからの取材がたくさん来ていた」と笑う。

 「経済効果」とは「ある出来事が起きた際にどのくらいお金が動いていたか」を計算した数値。コンサートを例に挙げると、入場チケットやファンの交通費、CDやグッズの売り上げによる「直接効果」や、ファンが利用した飲食店で使用される原材料の売り上げといった「一次波及効果」。そして飲食費や会場で働く人の賃金が上がるといった「二次波及効果」。3つの効果を「産業連関表」という統計表をもとに計算した数字が「経済効果」になる。

 初めて経済効果の計算に取り組んだのは2003年の阪神タイガース優勝。当時、大阪府立大に教員として勤めていた宮本教授は「教室で数学の授業をやるよりも、具体的なものを計算した方が面白い」と思い立ち、学生とともに阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)へ出向いた。買い物客にアンケートを取るなど緻密な調査を行い、阪神タイガース優勝に伴う1481億3000万円の経済効果を算出。「データに基づいて、ちゃんと計算していること。そして、実際に事態が起きた後の実証をしっかりと行うことが、経済効果の算出にあたって必要なこと」と語る。

 さまざまな社会現象による経済効果について取り組んでいるが、不祥事による経済効果の依頼は断っている。「みんなが見て楽しくなれるようなものをやってきた。有名人やタレントが悪いことした時の損失は絶対に計算しない」とポリシーを話す。毎年平均10から15の経済効果を計算している宮本教授。今後も「知った人が楽しめて元気が出るような出来事の経済効果」を出すため日々研究に励む。

宮本教授

宮本勝浩教授(提供=関西大広報課)