【3・4月号掲載】デフテニス 世界を制して テニス部 喜多美結さん

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 体育会テニス部の喜多美結さん(化生工・2年)が2019年10月に行われた「デフテニス」の世界選手権大会で優勝した。優勝後は第4回日本パラスポーツ賞・優秀賞を受賞し、多くのメディアに取り上げられた。喜多さんは「注目を浴びることはあまり好きではないが、自分ではなくデフテニスに注目してくれることがうれしい」と話す。

 デフテニスは聴覚障害者が補聴器を使わずに行うスポーツで、ルールは一般的なテニスと同じ。喜多さんは10歳のころからテニスをしていたが、デフテニスを始めたのは大学に入学してからだ。

 喜多さんの難聴が判明したのは小学校低学年のころ。周りに耳が聞こえにくい人はおらず、孤独感を抱き、悩みながら生活してきた。だがデフテニスを始めたことで、同世代で似た経験を持ち、励ましあえる人たちに出会うことができ、明るく過ごせるようになった。

 世界選手権優勝までには、体育会テニス部のサポートもあった。テニス部の年間目標は団体戦の全国大会「全日本大学対抗テニス王座決定試合(通称・王座)」で優勝すること。だが世界選手権と日程が重なり、喜多さんは王座に同行できなかった。後ろめたさを感じていたとき、試合の2週間前から王座出場メンバーと一緒に練習する機会を与えられ「王座同等に世界選手権大会を考えてくれたチームにとても感謝している。これからはチームのために自分ができることを頑張らないと」と意気込む。

チームメイトと話す喜多さん【右】(撮影=中山晃大)

 喜多さんは21年にある、ろう者のオリンピック「デフリンピック」での優勝を目指す。「(デフテニスの知名度が上がることで)周りに気付かれにくい障害で困っている人がいることが、多くの人に伝わるきっかけになれば」と話した。【中山晃大】

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