【9・10月号掲載】博物館で錯覚イベント開催

標準

目の錯覚を利用した作品が並ぶ「ノーマン D.クック教授、林武文教授のふしぎなサイエンスアート」展が関西大博物館で開催された。

 作品の多くはクック教授が研究を重ねた、逆遠近錯視の理論に基づいて制作された。逆遠近錯視とは、凹凸のある面に実際とは反対の遠近感を持つ絵を書くことで凹凸が逆に見えたり、観察者が左右や上下に動くと描かれている絵も連動して動いているように見えたりする現象を指す。陰影や色などの情報が加わるほど、錯視が強くなることが分かっている。実際に線だけで描かれた作品よりも、陰影や色を使って描かれた作品の方が動いて見えることが多いという。

 例えば、黒い背景に建物の輪郭のみを描いた作品はほとんど動いているように見えない。しかし建物に影を付けたり、空や地面などの背景を加えたりすることで、錯視の効果が強まり絵が動いて見える。

 注目はゆらゆらと動いているように見える魚を描いた作品「こいにこい!」。見る人が動くと魚も一緒に動いているように見え、常に魚と目が合う不思議な現象が起こる。また、今年完成した新作も披露されている。

 林教授による3Dプロジェクションマッピングの作品では、何も書かれていない白塗りのキャンバスに、3次元CGの画像を投影している。さまざまな画像が用意されており、来場者が画像を選択できるようになっている。

 関大博物館が8月2、3日に開催したイベント、キッズミュージアムではプログラムの一環として折り紙教室が開催された。逆遠近錯視の現象が楽しめるキットが用意され、たくさんの子どもたちが制作に励んだ。博物館学芸員の山下大輔さんは「作るのは少し難しそうだったが、完成した作品に喜んでいるようだった」と子供たちの様子を話した。  【前田絵理香】

逆遠近錯視により、見る位置を変えると動いて見える魚の作品「こいにこい!」(撮影=堀江由香)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です