【人物図鑑】川原和起さん(社・4年)

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 京都府亀岡市で2年前に起こった亀岡事故の記録映像を撮り続けている関大生がいる。川原和起(社・4年)さん。亀岡事故は、無免許運転の自動車が登校中の小学生の列に突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事件だ。彼は3年生の時、「映像実習」という授業でドキュメンタリー映像を撮ることに。亀岡事故の遺族を追いかけると決め、4年生になった現在も活動を続けている。

【6月11日 関大タイムス=UNN】

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(写真=ドキュメンタリー作成について話す川原さん 中川寛之撮影)

 川原さんは高校生の頃、事故で友人を亡くした。居眠り運転をしていたトラックが友人の乗っていた自動車に追突。友人を含む3人が犠牲となり、運転手には禁錮5年4カ月の判決が決まったが「短すぎる」と川原さんは感じた。

 亀岡事故が起こったのはその2カ月後。加害者である無免許運転の少年は懲役5~9年の不定期刑が確定した。川原さんは「遺族の方々が法改正をしようとしていることを報道で知った。(映像を撮ることで)少しでも遺族の方々のことを知りたかった」と活動のきっかけとなった出来事を話した。

 遺族に取材を申し込むと笑顔で引き受けてくれた。当初、遺族は法改正を目指して署名活動やビラ配りに没頭する日々。川原さんは「法改正をしても亡くなった人は戻ってこない。でも遺族の方々は何かしら活動をすれば気が紛れるのだと思う」と当時の様子を思い出しながら語った。

 地道な活動が実を結び、事故からおよそ7カ月後、「自動車運転死傷行為処罰法」が参院本会議で全会一致により成立した。映像を撮り続けて半年。川原さんはこの時初めて遺族の涙を見たという。「取材中は気丈に振舞っていて、一度も涙を流さなかった。自分に心を開いてくれたと感じていたが、何も知らなかったのだと思い知った」。

 現在は撮り溜めた映像を編集している川原さん。大学卒業後はマスコミへの就職を希望している。事故関係の報道をして、遺族の気持ちを多くの人に伝えていきたいと意気込む。「現在の報道では、時が経つにつれ事故の報道が減ってしまっている。深い悲しみを背負っている遺族がいるということを知ってほしい」と力強く語った。川原さんの活動は卒業まで続く。

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