【7月号】凮月堂と共同開発 橘使ったお菓子製作

 日本固有の「大和橘」と呼ばれるかんきつ類を使用したクッキーを、高岡素子教授(環境バイオ)のゼミ生と神戸凮月堂が共同で開発した。5月の愛校バザーでは3枚500円で販売した。バザーでは70袋が1時間で完売したという。

 6月20日からは1カ月間、毎週火曜日に神戸凮月堂でも100枚限定で販売されている。

 食品科学が専門の高岡教授に凮月堂の会長から商品の共同開発の依頼があったのは2015年11月。当時高岡教授が摘果ミカンの研究をしていたことから、橘の中で唯一の日本固有種で、絶滅危惧種にも指定されている大和橘の使用を決定。翌12月にはゼミ生らで大和橘を栽培する農場でフィールドワークをした。

 ゼミ生は大和橘の栄養素などを研究するかたわら、昨年4月ごろに商品案を出し合った。集まった24案の中からパウンドケーキやようかんなどの四つに絞り込み、凮月堂が試作。検討の結果、低価格で販売できるクッキーを商品化した。

 ゼミの研究から、大和橘は果汁よりも果皮に抗酸化成分などの有効成分が多いことが分かった。しかし果皮は苦みが強く、煮詰めたり砂糖を足したりするだけでは食べられない。凮月堂は試行錯誤の結果、3カ月間梅酒に漬け込んだ大和橘をジャムにし、クッキーの中心にトッピング。表面をコーティングしているアイシングにも果汁を混ぜ込み、ジャムの乗っていない部分でもほんのり香りがするよう工夫した。全ての工程は工場で手作業で行われている。

 開発に携わった卒業生の安川美穂さんは「橘をどのように『親しみやすいお菓子』というテーマに近づけるかという点で苦労した。研究をする中で橘の魅力に気付き橘が大好きになった」と振り返った。

高岡素子教授のゼミが開発した橘を使ったクッキー(撮影=池之上春花)