【3・4月号】希少クモ 学内に生息

バイオ学生が巣穴発見

 環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている「ワスレナグモ」が学内で昨年11月に発見された。ワスレナグモは環境の変化に弱く、発見は本学に貴重な自然がそのまま残っている証拠といえる。

 今回見つかったのは、体長約15ミリのメスの成体。環境・バイオサイエンス学科の専門教育科目「生態学実習Ⅱ」で、中庭のモミジ周辺を調査した学生チームが発見。木の根元にある小さな穴を掘って調べたところ、ワスレナグモの巣穴だと分かった。

 遠藤知二教授(環境・バイオサイエンス学科)によると、ワスレナグモは原始的なクモで、上顎と牙が大きいのが特徴。地面に穴を掘って身を潜めるため、見つけるのが難しい。

 ワスレナグモは他のクモに比べ、出す糸の量と種類が少ない。「糸に強度が無く、大規模なバルーニング(空気中に糸を出し、風に乗って移動すること)ができないため、分布が限られる。一度個体数が減ると回復することが難しい」と遠藤教授は話す。糸に強度が無いと木の上や地上に進出しにくい。

 大学は大きく環境を改変せずにキャンパスの管理をすることで、学内の自然や生物を保護してきた。学内では中庭をはじめ、理学館横の植え込みにもワスレナグモの巣穴とみられる穴が確認できる。

 遠藤教授は「とても希少なクモが足元にいたことに驚いてほしい。環境の変化にもろく、今までひっそりとしぶとく生きてきたクモだ。たまにはキャンパス内にいる生物に思いをはせてもらいたい」と語った。

 今後は遠藤教授のゼミ生が学内に生息するワスレナグモを卒業論文のテーマとして研究する。

発見されたワスレナグモ(提供=遠藤知二教授)