天王寺動物園のゾウ題材に絵本

環境・バイオ4年生 環境問題をテーマに

 天王寺動物園で11月8日と15日、22日に、三宅志穂准教授(環境・バイオサイエンス学科)のゼミに所属する4年生4人が、制作した絵本「ゾウ・ラニーひろこと飼育員さんのものがたり」を読み聞かせた。

象最終③ 象最終④

そばに排泄物を置く習性のあるアジアゾウのラニー博子(左)
絵本の一部を使った読み語りのポスター(右)

 取り組みは卒業研究の一環として行われた。絵本は子どもに環境への理解を深めてもらうための教材として制作された。対象年齢は小学校高学年だ。きっかけは、ことしの春に学生らが同動物園でフィールドワークをしていた際、アジアゾウのラニー博子を世話する西村慶太さんと出会ったこと。博子の生い立ちが環境問題につながることから卒業研究の題材に。学生らが西村さんなど飼育員の話やブログを参考にして絵から構成まで手掛け、読み聞かせの場所の決定なども学生が主体的に進行した。

 絵本には主にアジアゾウのラニー博子の生い立ちが描かれている。博子は推定46歳で、1970年に日本万国博覧会の開催を記念してインドから来た。インドで発見されたとき、博子は既に母親のいない状態だったという。飼育員の西村慶太さんは、博子の母親ゾウが人間の居住地に侵入したことで人間に殺されたと考えている。侵入したのは、食品にしばしば使われる植物油を作るために、ゾウが生息している森林を伐採することで、ゾウの住むところが無くなっているためだ。母親ゾウが死んだことで、博子はゾウとしての教育を受けなかった。綺麗好きのゾウに珍しく排泄物をそばに置いたり踏んだり投げたりする習慣が今でもあるという。子どもからは「お母さんを亡くしてかわいそう」などの感想が寄せられた。

 2週間の読み語り実践で採取できたデータは約80。これからは研究を続けながら、2月4日に本学で行われる卒業研究発表会で説明する。12月12日にも東京で開かれる平成27年度第3回日本科学教育学会研究会で発表する予定だ。

 また、天王寺動物園で博子と同じ場所で飼育されていたゾウの生涯を描いたドキュメンタリー映画「天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏」が21日から大阪のシネ・リーブル梅田で公開されている。学生らは「動物園にいる動物たちは、1匹ずつ違う生い立ちを持っている。それぞれの生い立ちを知ることで、違う楽しみ方ができると思う」と話した。

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ぬいぐるみを使うなどの工夫をして絵本を読み進める学生ら