大学の講義は専門的な知識の押し売りで退屈なものばかりと高をくくる学生、いつも同じ教室で授業を受け、刺激に乏しいと感じる学生も多いのではないだろうか。だが、少し好奇心の幅を広げてみれば、大学には魅力ある講義が溢れているのに気づくはずだ。留学生対象に英語で進められる国際交流科目、演劇などを学ぶことができるコミュニケーションデザイン科目、さらに単位互換制度を利用して阪大を含む関西の30大学で講義を受けることも可能だ。そこで阪大PОSTでは意外と知られていないが、一度受講してみる価値のある講義を紹介する。
単位互換制度
履修手続;窓口に備えつけの「単位互換履修生出願票」に必要事項を記入して担当窓口に提出。
登録期間;センター科目の出願は4月13日まで。オンキャンパス科目の出願締切日は科目開設大学の締め切り日となる。
単位互換は、協定を結んだ関大、近大などを含む大阪の30大学の講義を履修でき、かつ履修した科目が在籍大学の単位として認定される制度。つまり他大学で単位が取れるというわけだ。単位互換は大学コンソーシアム大阪が平成18年度から実施しており、センター科目大阪学、オンキャンパス教養・専門科目、オンキャンパス教職科目の3科目がある。
センター科目大阪学は学生に大阪についてより深く知ってもらうという趣旨で開講され、大阪の歴史、文化、産業などをテーマにした8科目の講義が大阪都心部の拠点会場で行われる。
オンキャンパス科目では参加大学がそれぞれ、他大学の学生に受講して欲しいと考える科目を提供している。「世界を学ぶ」、「ことばの魅力を探る」、「社会の仕組みを知る」などの10のテーマに分類され、それらのテーマに基づいた総数300を越える講義が各大学で行われる。大学コンソーシアム大阪事務局長の八木さんは「違う大学に行って、授業を受けるというのはとても新鮮なこと。大学が変わると学生やキャンパスの雰囲気も変わるということを学生が感じてくれることだけでも意味がある」と他大学で授業を受けることの魅力を話す。
昨年度に単位互換を履修したのは427人。今年度は「1000人を越えるように広報している」とのこと。これを期に普段触れ合うことのない大学間の横の繋がりを築くのも良いかもしれない。
国際交流科目
履修手続;所属学部の教務担当係で確認のうえ申請。KOANを使って登録
登録期間;開講時より約2週間
国際交流科目は共通教育科目、専門教育科目と同様に阪大の正規科目の一つだ。講義はすべて英語で行われる。それは国際交流科目が、元々毎年阪大に来る交換留学生らを対象にした大阪大学短期留学特別プログラム(ОUSSEP)の一環により導入されたからだ。ОUSSEPは1996年に開設され、交換留学生が阪大で取得した単位を出身大学の卒業単位に加算できるプログラムだ。
時間割は「国際交流科目を提供してくださいと各部局に依頼して、集まった科目で組んでいる」と学生交流推進課の今井さんは話す。平成19年度前期に開講される科目は「日本の芸術」や「精密科学の世界」など10科目で、文系、理系科目は同数。今井さんは「もっと講義を受けて欲しい。クラスの中には日本語ができない留学生が多い。そういった人達と一緒に授業を受けることで、海外の学生さんの勉強に取り組む姿勢を学ぶことができる」と留学生が多い中で授業を受ける意義を話す。また「留学を考えている人は是非受けていって欲しい」と国際交流科目を推奨する。
留学生と交流を深めたい。英語の勉強をしたいと考えている人には絶好の機会なのではないか。平成18年度前期に「西洋文学語の比較研究」を受講、後期には「現代物理の最前線」を受講した松本翔平さん(基工・4年)は「いっぱい英語に触れられるところが良いところ。現代物理の最前線では技術系英語を知ることができた」と話す。授業は英語だけれど「単位は簡単に取れる」そうだ。
コミュニケーションデザイン科目
履修手続;1回目の授業に出席し「受講希望届」を提出。2回目の授業で受講許可を得たら、KOANを使って登録。
コミュニケーションデザイン科目はその名の通りコミュニケーション回路の構想、設計を目的とする科目だ。例えば原子力開発問題、BSE問題にみるように、専門家と一般市民との間に生じがちな、知識の格差による壁や不信感をコミュニケーションの回路を設計することにより改善しようとするもの。コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)が、そのような一般市民との乖離を改善できる専門家を育成するため、主に大学院生を対象に17科目開講している。大学院生の共通教育と位置づけられているが、学部生も受講可能な科目も多い。具体的には「科学技術」、「減災」、「アート&デザイン」などの5つの分野にわたっており、それぞれの分野でコミュニケーションを中心に据えた教育プログラムが展開される。例えば「減災コミュニケーション入門」では、コミュニケーション不全の状況を理解し、そのギャップを埋める能力の向上を目指す、ディスカッション重視の講義だ。「パフォーミングアーツの世界」では、劇作家の平田オリザさんを講師に迎え、実際に身体を動かすワークショップ形式の授業を織り交ぜながら、現代芸術の本質についての理解を深めていく。
このようにコミュニケーションについて多岐にわたる取り組みを行っている組織の類例は少ない。授業で何かしらの刺激を受けること請け合いだ。【07年4月 阪大POST】









