私はドキュメンタリー番組が好きだ。例えばロッククライマーを題材とした番組があるとする。取材班は時間を十分にかけた取材で、そのロッククライマーの練習風景、目標、やりがいに至るまで細かく追求していく。そしてその膨大に収集した素材から紡ぎ出される物語は、構成、編集ともに完璧で、例えロッククライマーが、満を持して挑んだ登頂に失敗していたとしても、視聴者の感動を呼ぶ。もはや失敗した方が視聴者の同情を買う仕上がりになっている。
つまり、誰もがその番組上ではヒーローになることができる。そして、その膨大な取材量が裏打ちしていることは、誰もがヒーローになり得る要素を少なからず持ち合わせているということだ。どんな些細な物語の起伏もプロは逃さず一級品に仕立てる。ドキュメンタリーとはある意味平等にひらかれた世界であり、その公平さが私を惹きつける。
いちょう祭を2日間取材した。いちょう祭はまちかね祭と比べてよくしょぼいと揶揄されるが、いちょう祭も見方を変えれば頼もしいイベントになる。学祭はドラマの集積だ。
ステージではアカペラや軽音サークルの学生が凛々しき姿を披露する。彼らはステージを終えると揃って「めっちゃ緊張した」という安堵の声を漏らす。
豊中キャンパスのATM前広場で日々練習に勤しむジャグリングサークル。傍目で見れば奇怪な集団に見えるかもしれないが、学祭では脚光を浴びる。
映画研究部や写真部にとっていちょう祭は、日頃の作品を上映、展示する数少ない機会のうちの1つ。写真部の部員らは3、4時間かけて1枚の写真を焼くこともある。
いちょう祭では大学という開かれたフィールドで、学生それぞれがスポットライトを浴び、ドラマの主人公となった。またその背景にはステージに立つまで、作品を披露するまでの苦悩や緊張があった。そこには紛れもなく語られるべき物語が存在する。その物語を紡ぐ立場として、一瞬を逃さずに生のドラマを見続ける。それはドキュメンタリー番組を見ることよりも魅力的で、胸が熱くなることである。【中村翔】
私はドキュメンタリー番組が好きだ。...(07年6月号掲載)
紙面を読んで、驚きとともに、違和感を覚えた。...(07年4月号掲載)
豊中から吹田へ、吹田から豊中へ。...(07年2月号掲載)
2006年も終わりを迎える。...(07年1月号掲載)
阪POSで活動を始めて半年が経つ。...(06年11月号掲載)
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