紙面を読んで、驚きとともに、違和感を覚えた。それは自分も取材に行った、JR尼崎脱線事故の遺族、被害者らで結成される4.25ネットワークが主催する講演会の記事だった。講演会では、遺族、被害者らが結束してJR西日本の安全を求めていくという姿勢をアピールした。しかし、翌日の紙面では、遺族らが講演途中に言葉を詰まらせたり、涙ぐむ場面が大きく取り上げられ、読者の感情を煽るよう強調されている気がしてならなかった。取材の日には、遺族、被害者らが記者の方と笑顔を交えながら話す光景を目の当たりにし、記者の方々と4.25ネットワークの方々とが築き上げてきた関係に感銘を受けた。漠然とマスコミに対して持っていた、当事者の人権を無視しがちだというイメージは溶解した。それだけに、4.25ネットワークの方々が望んでいることを何故そのまま記事にしないのかという疑問が残った。
先日、JR尼崎脱線事故の遺族取材に携わっている記者の方に話をうかがえる機会があった。その記者の方は遺族に手紙を書いたり、花束を持って自宅を訪問するなど遺族の心に寄り添った取材を1年以上続けている。この人ならと思い、心に残っていた疑問を投げかけた。
「遺族、被害者にもいろいろな方がいて、マスコミとの関わりを一切断っている人や公衆の前で自分の意見を主張できる人もいる。4.25ネットワークの方々は強い人達で一般の人々に訴えかけているが、それを快く思っていない遺族がいらっしゃるのも事実」とあくまで遺族の方々全員の意向を汲み取って書かれた記事であることを教えてくださった。確かに4.25ネットワークの方々が遺族の思いすべてを代弁しているわけではない。記者の方々は自分の想像以上に遺族の方々をおもんばかり取材、執筆を行っていることを知った。その記者の方も「常に悩みながら取材、記事を書いている」という。
メディアスクラムや過剰報道など、マスコミが批判を浴びることは多い。だが、現場で取材する記者は当事者の人権を傷つけず、いかに真実を伝えるかについて苦慮し奔走しているのが実状だ。不確かな情報に動揺せず、ひた向きに真実を見極めようとする姿勢は、私たちにとっても見習うべきことだろう。【中村 翔】
私はドキュメンタリー番組が好きだ。...(07年6月号掲載)
紙面を読んで、驚きとともに、違和感を覚えた。...(07年4月号掲載)
豊中から吹田へ、吹田から豊中へ。...(07年2月号掲載)
2006年も終わりを迎える。...(07年1月号掲載)
阪POSで活動を始めて半年が経つ。...(06年11月号掲載)
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