豊中から吹田へ、吹田から豊中へ。ほぼ毎日のように再履バスに乗る。単なる2地点間の往復に普遍的な真理も希望的観測も見出すことはできないが、汚れた服を洗濯機に放り込むのと同じで、授業を受けるためにバスに乗る。最も合理的な手段を選んでいるに過ぎない。
その日の朝も、バスに乗るため豊中キャンパスへ向かったが、乗り遅れた。憂さ晴らしにその日に気になった所へ向かった。
そこは館下の食堂から階段を一つ上がった所、阪急のバス員らが休憩時に屯しているスペース。普段そこにあるのは一脚のベンチのみで、彼らは日がな一日寒風に打たれ、顔には宿命的なしわが刻まれている。
だが、その日は、その場にそぐわないダンボール製の簡易机と共に、その場にそぐわない笑顔を浮かべていた。簡易机には世界の建築写真や有名画家の絵画などが無造作に貼られ、たかがダンボールと言えど目に付かないことはない。話しかけると、「これ食べや」。不意に彼らは机の下で、隠して焼いていた餅を差し出した。特別な理由なんてない。彼らは「単にダンボールだけじゃみすぼらしいから」ポスターを貼り付け、その足下で餅を焼き、そしてそれに満足している。「寒いけど、楽しいよ。こうやって無駄話してるのも」。
毎日が充実しているという彼ら。授業。POST。授業。POST。POST。変化のない日常の不満を友達に吐き散らかす自分。それでも、可能性という実体のないわらにすがり、雄弁と明るい未来を語る自分。今を疎かにし、それでも未来は明るいとたかをくくる自分に焦燥感を覚える。彼らは例えそれが些細であったとしても、今に変化を与え、それに満足している。
「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」有名なダーウィンの言葉だ。このままでは自分も――。
何の行く当てもなく僕はそのまま駅へ向かった。もがき続けるしかないのだろう。何も味付けされていない、ただ焼いただけの餅を噛み締めながら。(阪大POST 07年2月号)
私はドキュメンタリー番組が好きだ。...(07年6月号掲載)
紙面を読んで、驚きとともに、違和感を覚えた。...(07年4月号掲載)
豊中から吹田へ、吹田から豊中へ。...(07年2月号掲載)
2006年も終わりを迎える。...(07年1月号掲載)
阪POSで活動を始めて半年が経つ。...(06年11月号掲載)
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