大阪大の学生寮で、日本人学生と留学生の混住化計画が進んでいる。同計画は、平野俊夫総長の主導する「大阪大学未来戦略」の一環として実施。キャンパスの国際化に向け、寮生らの日常的な多文化交流を促す目的だという。しかし、大学主導で進められる混住化に、寮内の日本人学生からは不満や戸惑いの声が上がっている。 

混住化スケジュール

 混住化は2013年度に清明寮で、14年度にもみじ寮で始まった。1月5日現在、留学生用の部屋は清明寮に31室、もみじ寮に48室を設置している。15年度から混住化を始める刀根山寮では、はじめに49室を設置予定。16年度に混住が始まる向陽寮では未定だが、清明、もみじ、刀根山寮では留学生用の部屋数を徐々に増やす計画だ。

 「現実的な問題は寮生に丸投げ。大学のフォローが欲しい」と刀根山寮の寮長、梅木遼さん(文・3年)は不満を口にする。混住化計画は日本人学生への相談なく決定。留学生向けにシャワー室や補食室などが整備されたことで、日本人学生が他寮への転居を余儀なくされた。

 他寮に先駆けて混住化が始まった清明寮では、留学生が個人所有の調理器具や食材を無断で使用するというトラブルが発生。英語を話せる日本人学生は少なく、留学生との意思疎通を円滑にできないことが原因だ。

▶︎寮の役目 再確認を

 自治組織のない清明寮では以前から寮生同士が自立して暮らし、留学生とも住み分けを図ったことで大きな問題を避けることができた。一方、刀根山寮は自治組織を持ち、寮生同士の交流も盛ん。日本人学生と留学生との摩擦を避けるには、設備を整えるだけでなくより細かいフォローが必要になる。清明寮に住むある学生は「経済的に苦しい学生を受け入れるという寮の役目がおろそかになるのでは」と不安を見せる。

 すでに混住化を始めた清明寮ともみじ寮、来年度から始まる刀根山寮では、留学生向けのチューターやサポーターを置く予定はない。阪大のハウジング課は「(計画は)日本人学生と留学生のコミュニケーションがあればこそ。暮らしを共にして交流を深めてほしい」と話した。