「けろりの道頓」を紹介する吉澤林助さん(撮影=塩澤広大)

 大阪大は10月25日、大阪大学会館で司馬遼太郎記念学術講演会「戦国のサムライ」を開催した。阪大生によるビブリオバトルと、小説家で戦国時代に造詣が深い安倍龍太郎さんの講演が行われた。

 ビブリオバトルには予選を勝ち抜いた5人が出場。司馬遼太郎の作品から、戦国時代を題材にした本を一人1冊紹介した。出場者は自身の経験を交え、巧みな話術を用いるなど工夫して本の魅力をアピールした。優勝したのは吉澤林助さん(文・4年)。吉澤さんは、短編集「おれは権現」より「けろりの道頓」を紹介した。道頓とは戦国時代の町人で、人々を率いて道頓堀を開削した安井道頓のことだ。道頓は人格者ではなかったが、不思議と人を引きつける魅力を持った人物だったという。吉澤さんは壇上で、司馬遼太郎が得意としていた細かな人物描写が同作品でも生かされていて、作品の魅力の一つとなっていることを説明した。吉澤さんは「思い入れのある本だったので、時間内にまとめるのに苦労した。観客の目を見て話すように心がけた」と話した。

 講演で安倍さんは「大航海時代と織田信長」をテーマに、日本の戦国時代を大航海時代と関連づけて捉える必要性を話した。また大学生に向けて、創造力と柔軟な思考を持つことが大事だと語った。

 司馬遼太郎記念学術講演会は、大阪外国語大学(現阪大外国語学部)出身の作家、司馬遼太郎の業績を回想し、その遺産を受け継ぐために毎年開催されている。

【塩澤広大】