大阪大は15日、東日本大震災と熊本地震についての論文に捏造と改ざんがあったことを認定した。17年に4回にわたり不正が疑われるとする申し立てがあり、調査をしていた。

 具体的な内容について調査委員会は、元阪大大学院工学研究科准教授の秦吉弥氏が自ら地震計を設置して観測したとする観測データが、他機関が設置している地震計の観測データの転用などの手法により捏造したものだったと結論づけた。また、自ら観測したとする内容を信頼させるため、理論計算値を改ざんしていたとした。

 調査対象となっていた論文は、秦氏の論文44編。うち5編を特定不正行為に当てはまると認定した。17編を疑惑はあるが秦氏が故人のために証拠のデータが不十分だとして認定を保留にし、残りは証拠不十分で判定ができなかったとしている。認定された5編のうち1編には、科学研究費助成事業から約13万8千円の補助金を受けていた。

 阪大は今回の調査結果を受けて、研究者に研究倫理に関しての注意喚起をするとともに、研究データの管理状況を把握する組織的な取り組みを検討するとしている。

【児玉七海】