今回開発されたマイクロビームは、2011年10月に開発された世界最短波長のX線自由電子レーザー(以下XFEL)をさらに強化したもの。原子レベルの表面精度を持つ集光鏡を開発することで、XFELを1マイクロメートルの小さな領域に集めた超高強度ビームを実現した。強度調整に成功する以前は、照射された材料が瞬時に蒸発してしまうほどの強さだったという。
  マイクロビームの活用は多岐にわたり、従来の顕微鏡では見ることのできなかったミクロの世界を明るく照らして観察したり、動いている分子の原子構成を瞬時に撮影したりすることが可能になる。これを応用して、病原菌やがん細胞などを精密に観察することによって疾病の原因解明や新薬開発が可能になるほか、日常生活を支える優れた触媒や燃料電池など高機能材料の開発が望まれている。
   マイクロビームはすでにXFEL施設SACLA(さくら)において実用化されており、さらに次の先端研究を拓いている。今後の展開としては、マイクロビームの実験結果をもとにさらに1万倍強いナノビームの実現へと研究が進んでいる。