TuVe

 大阪大情報科学研究科の伊藤雄一招聘(しょうへい)准教授らは柱や球などの立体にチューブを巻きつけて文字や図形を表示できるディスプレー、「TuVe(チューブ)」(写真)を開発した。日刊工業新聞やテクノロジー系のウェブメディアに取り上げられるなど、新しい情報提示手段の一つとして注目を浴びている。

 「TuVe」は立体に巻き付けた1本の長いチューブ内に液体と空気を送り、その位置や長さをコントロールすることで、文字や図形を表示するディスプレーだ。柔らかく、中に液体が付着しない医療用の樹脂チューブを使用した。シアン・マゼンダ・イエローの三原色と白色の4種類の着色水を使い、混ぜ合わせることでさまざまな色での表示ができる。

 伊藤准教授は、人とコンピューターのより良い関係を模索するヒューマンインターフェース分野の研究に取り組んでいる。今回の開発はスマートフォンなどの平面ディスプレーと異なり、どんな立体にも表示できるディスプレーの製作を目指したもの。チューブを使う発想は、アート作品からヒントを得た。類似する研究はほとんど無かったため、チューブの素材やチューブ内の物質の配置方法などを一から考え、2年半かけて現在の形にたどり着いた。

 伊藤准教授は「より人の感覚に近い表現が可能な3次元のディスプレーを作りたいという考えから、今回の開発に至った」と話した。

  今後はデジタルサイネージ(電子看板)や温感に作用するウエアラブルディスプレーへの応用を目指している。

【植木凜】