試合が終わり、トライデンツの戦士たちはうつむき、時に涙に暮れながらも言葉少なげに戦いの場を後にした。今季1試合平均得点が70点を超える2部最強のランオフェンスを誇る近大にFG1本差での敗北。「負けたことが信じられない。今は何も考えられない」常にチームを引っ張ってきた主将のRB森山は絶句していた。
対策は万全だった。「ランでボールを相手に渡さずロースコアに持ち込む」というゲームプランを立て、相手オフェンスに対しては夏から何度もプレーを見返しトレーニングを積んできた。その成果もあってか前半は近大の中央からのランに上手く食らいつき、ほとんどファーストダウン更新を許さなかった。オフェンス陣もQB谷村の落ち着いたプレーコールから森山が5ヤードのランを小刻みにそして確実に出しゲインを奪い、最初の攻撃でFGに持ち込むことができた。すべてがうまくいっていたはずだった。
しかし歯車は徐々に狂い始める。第2Q終盤、ディフェンスがうまく機能しているにもかかわらず、阪大は「選手間でやろうと決めた」(森山)敵陣30ヤード付近のギャンブルを2度続けて失敗。自分たちの焦りに加え、後半に入ると近大のテンポの速いサイドへのラン、正確なパスがディフェンス陣に牙を剥いた。なんとかTDは防いだものの、試合終了まで1分30秒で奪われた3点のリードを覆す底力は残っていなかった。谷村が投げたパスがインターセプトされた瞬間。喜びに沸く近大スタンドの歓声のみがむなしくもフィールドに響いた。

川崎監督は「地力と対応力。それが近大との差」とゲームを振り返り、そして続けた。「選手はよくやったと思う」。いつもは淡々と話す監督が目を腫らしながら発した言葉。それは激闘に敗れた選手たちへの精一杯の賛辞だった。
近大に敗れたことによって入替戦出場が厳しくなったものの、まだ可能性が消えた訳ではない。悲しみにくれるのはまだ早い。先輩から託され、夢見てきた昇格という目標をつかみとるには最後まで自分を信じて突き進むしかないのだから。

●関西学生アメフトリーグ2部第4節(10月23日・王子スタジアム)

  1Q 2Q 3Q 4Q
阪大 3 0 0 0 3
近大 0 0 0 6 6