高校生に向け授業をする石川大輝さん(左)ら(提供=上野将敬さん)
高校生に向け授業をする石川大輝さん(左)ら(提供=上野将敬さん)

 大阪大の山田一憲講師(霊長類学)らの研究グループが、人工知能(AI)を使ってサルの個体を識別する眼鏡型のウエアラブルコンピューター「サルメガネ」を開発している。視界に入ったサルの個体を識別し、名前や年齢、属する群れの中での序列や個体にまつわるエピソードなどをレンズに表示する。

 阪大が以前から研究していた、岡山県真庭市の「神庭の滝」周辺に住むサルのデータを活用する。7月29日には同県立勝山高(同市)で、高校生を対象に研究を紹介する出前授業をした。メガネ完成後は神庭の滝で観光客向けに提供するなどして活用する。

 中心となって開発したのは、かつて山田講師の下で研究を行い、現在は京都大大学院文学研究科に研究員として所属する上野将敬さん。サル一匹一匹を知ってもらい神庭の滝を訪れる観光客に楽しんでもらおうと考えたことが開発のきっかけだという。

 AIによるサルの個体識別技術を確立することで多くのサルの様子を同時に観察することが可能になり、これまでと比べ格段に多くのデータが集められる。観光目的だけでなくサルの研究に役立てることも期待されるという。

 上野さんは「お世話になっている神庭の滝でまず使ってもらいたい」と思いを口にした。

 【垣内勇哉】