沼尾教授

 自動で人の好みに合わせ作曲する人工知能(AI)のシステムを、大阪大産業科学研究所の沼尾正行教授(感性情報学)らの研究グループが開発した。音楽療法への応用が期待されている。

 既存の曲を聴いた個人の脳波を計測し、人工知能が特徴を分析。オーダーメードで気分が高まる曲を作る。曲は8小節か16小節の繰り返しで、ジャンルはクラシックからポップスまで幅広い。

 沼尾教授が開発したシステムは、最初に既存の曲を聴かせ、脳波から「快」「不快」を分析する。その後、AIは被験者の気分を反映した数曲のサンプルを作り、最も気分が高まる曲を再生する。脳波を測定して自動作曲するため、従来のように細かい指示や条件をAIに与える必要がなくなり、効率的になった。

 AIが作った曲は、落ち込んでいる人を勇気づけたり、仕事の能率を上げたりするのに役立つという。ただ、沼尾教授は「AIは将棋や囲碁など勝負事では強いが、自動作曲のように人の感性に訴え掛けることはいまだに苦手」と話す。今後は実験を繰り返し、感情の分析精度を高めていく。