理学研究科の名誉教授で現在東京芸術大に学生として通う松田准一さんによる書籍『隕石(いんせき)でわかる宇宙惑星科学』が、大阪大学出版会より出版されている。一般の読者向けに隕石、宇宙などについて解説。難しい数式などを極力なくした読みやすい内容で、研究の体験談なども盛り込んだ。特に隕石は松田さんの専門分野で、一般的な事柄から最新の研究まで触れられ、読み応え十分。

 目を引くのは、科学に関する本には珍しく全編にちりばめられたかわいらしいイラスト。すべて松田さん自ら手掛けた。「イラストレーターに任せると説明的な絵になりがちだが、著者自ら描くことで、どこまで絵をデフォルメしてもその意味する内容が損なわれないかが判断できる」と話す。

 高校生の頃から芸術の道に進みたかったが周囲の反対で断念し、東京大へ進学して物理学を学んだ。その後神戸大助手を経て阪大理学部へ赴任。だが定年まで1年を残して「教える側ではなく教えられる側に回ってみたい」と考え、長年の夢を叶えるべく受験を決意した。

 「自分のしたいことがあればどんな年齢からでも始められる。年だからと、夢の実現を諦めないでほしい。世の中には面白いことがたくさんあるのだから、興味を広く持ち自分に合ったことを見つけて」